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ザ・ボーイズ【レビュー】

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海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン4』アントニー・スター

シーズン4

世間的にも正義のスーパーヒーローの仮面が剥がされ、むしろ開き直ったホームランダー(アントニー・スター)は、以前にも増して誰にも手が付けられなくなっています。だから周囲はホームランダーにこびるばかりで、どんどん孤立していきます。“セブン”のメンバーも何人か抜けてしまい、弱小化してしまったところ、ホームランダーは新たなメンバーを加入させます。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン4』

本シーズンで“セブン”に加入するメンバーは、腕力ではなく頭脳で戦うタイプです。まず、ファイアクラッカー(ヴァロリー・カリー)は、まさに現代を象徴するキャラクターで、聴衆を煽り情報戦でザ・ボーイズに対抗してきます。次に最強の頭脳を持つセージ(スーザン・ヘイワード)は、大きな陰謀を企てます。セージの“一番頭が良い”という設定はストーリー上で説得力を持たせるのが難しいと同時に、本当に一番頭が良いなら勝敗が決まってしまいそうなところを、逆に弱点ともいえるユニークなキャラクター設定で先が読めないおもしろさを加えています。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン4』カール・アーバン

一方、ザ・ボーイズもこれまでにないピンチにさらされています。ブッチャー(カール・アーバン)は病に蝕まれ、余命が短いなか、亡き妻ベッカの息子ライアンをホームランダーから取り戻そうと画策します。ブッチャーへの信頼を失った他のメンバーも個々に問題を抱え、ザ・ボーイズは隙だらけになります。そして、今シーズンではヒューイ(ジャック・クエイド)の父(サイモン・ペッグ)が再び登場し、とんでもない事態が起こります。ジェフリー・ディーン・モーガンが演じる新キャラにも要注目です。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン4』ジェフリー・ディーン・モーガン

さらに『ザ・ボーイズ』のスピンオフドラマ『ジェン・ブイ』のメンバーもしれっと登場します。『ジェン・ブイ』側の展開も匂わせるところがあり、両方観ている方にとっては楽しさ倍増。ぜひ、合わせて観てみてください。

本シーズンも相変わらず、グロさは健在で、下ネタも満載というか、レベルアップしています。なので、ご飯を食べながら観ないほうが良いでしょう(苦笑)。あまりにぶっ飛んでいるので、撮影現場はどんな空気なんだろうと気になります(笑)。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン4』カール・アーバン/ジャック・クエイド/エリン・モリアーティ

もちろんスリルもレベルアップしていて、意外な展開により最後の最後まで二転三転します。本シリーズは次のシーズン5で完結するとのことで、本シーズンのクライマックスでは、失ったと思った切り札がちらつき、オールラストの大波乱を予感させます。最後まで勢いが衰えず突っ走りそうで、続きも大いに期待が持てます。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン4』カール・アーバン/ジャック・クエイド/アントニー・スター/エリン・モリアーティ/ジェンセン・アクレス/ラズ・アロンソ

『ザ・ボーイズ シーズン4』
2024年6月13日よりAmazon Prime Videoにて配信中
R-18+
Amazonプライムビデオで観る

© Amazon Studios

TEXT by Myson


シーズン3

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン3』カール・アーバン/ジャック・クエイド/ジェンセン・アクレス/ラズ・アロンソ

毎シーズン、本当に展開が早くて一気に観てしまう中毒性があります。前シーズンで、ザ・ボーイズがある強烈キャラクターを打ちのめし、一見形勢逆転に見えたものの、今シーズンではまたホームランダーが暴走します。彼が開き直ってしまうと、もう大変。これまでホームランダーを制するために機能していた切り札が使えなくなります。そして、新キャラクター、ソルジャー・ボーイが登場し、物語はさらにドラマチックに。ヒゲを生やし、髪も長めなので、誰が演じているのかパッと見では気付きませんでしたが、このカッコ良い顔は見たことがあるぞと思ったら、『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』のディーン役でお馴染みのジェンセン・アクレスなんです。”スパナチュ”のディーンとは全然風貌が違うし、クセの強いキャラクターなので新鮮味を感じます。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン3』カール・アーバン/アントニー・スター

今シーズンでは、複数のキャラクターの過去が紐解かれ、家族や血縁にまつわる部分が彼等の運命を左右します。それぞれに因縁があったり、トラウマがあったり、それがあらゆる場面で鍵となります。だから、どちらが優勢なのかわからない状況で、形勢が何度も変わり目が離せません。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン3』アントニー・スター/エリン・モリアーティ

また、今シーズンの大きな展開として、24時間のみ能力者になれる新種のコンパウンドVの存在があります。これまでのシーズンでもチラッと話題に出てきていましたが、今シーズンで物語を大きく動かすキーアイテムとなっています。”あの少年”にも大きな転機となる出来事が起き、次シーズンへの期待を煽ります。さらに、あのキャラとあのキャラが親密な関係になった点は今シーズンでは深掘りされないままでしたが、もしかしたら今後のシーズンで大きな展開に繋がる伏線になるのではと勝手に予想をしています。とにかく、まだまだおもしろさを維持しています。今からでも間に合うので、ぜひ観てみてください。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン3』カール・アーバン/ジャック・クエイド/アントニー・スター/エリン・モリアーティ/ジェンセン・アクレス/ラズ・アロンソ

『ザ・ボーイズ シーズン3』
2022年6月3日よりAmazon Prime Videoにて配信中
R-18+
Amazonプライムビデオで観る

© Amazon Studios

TEXT by Myson


シーズン2

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン2』カール・アーバン/ジャック・クエイド/トマー・カポン /ラズ・アロンソ

シーズン1も相当過激な内容ですが、シーズン2ではさらに過激になっています。強烈な新キャラが登場しつつ、あっけなくいなくなってしまう重要キャラもいて、展開の早さに続きが観たくなること間違いなしです。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン2』エリン・モリアーティ/アヤ・キャッシュ

本シリーズには社会風刺がかなり効いていて、表現がどストレートなところも魅力。今シーズンでは人種差別の問題に切り込んでおり、悪役のやり口には容赦がなく、社会の現状の恐ろしさを目の当たりにさせられます。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン2』アントニー・スター

また、カルト教団の政界、経済界への介入も生々しく描かれていて、このドラマにタブーはなく、社会に対して発言することに恐れを持たない強い姿勢に共感を覚えます。それでいて、バカっぽさがある点は、エンタテインメントという大衆に届きやすい手段をうまく使っているといえるのではないでしょうか。“ザ・ボーイズ”と“セブン”の人間関係もだいぶ変化してきて、まだまだ気になる展開が続きそうで楽しみです!

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン2』カール・アーバン/ジャック・クエイド/アントニー・スター/エリン・モリアーティ/ドミニク・マケリゴット/ジェシー・T・アッシャー/ラズ・アロンソ/チェイス・クロフォード/福原かれん/トメル・カポン/アヤ・キャッシュ

『ザ・ボーイズ シーズン2』
2020年9月4日よりAmazon Prime Videoにて配信中
R-18+
Amazonプライムビデオで観る

© Amazon Studios

TEXT by Myson


シーズン1

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン1』カール・アーバン

すんごくおもしろくて一気に観ちゃいました!スーパーヒーローという存在を多角的に描いていて、綺麗事で済ませることなく、社会風刺も効いているストーリーはすごく見応えがあります。極端な話、犯罪に手を染める警察官が実際にこの世にいるように、スーパーヒーローだからといって皆善とは限らない、そういうある種冷静で現実的な視点を喚起させてくれます。だから、きっとヒーローものとだけ聞いて観始めると、ビックリすると思います。実際に私も海外ドラマも前情報を極力入れずに観たいので、まさにシーズン1の第1話で起こる、すべての発端となる出来事に衝撃を受けました。同時に、スーパーヒーロー同士が戦うシーンよりもむしろその威力、破壊力の恐ろしさを知ることができるシーンといえて、その後のストーリーや描写も含めて、巧みに構成、演出されているのがわかります。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン1』アントニー・スター

俳優陣の演技力も素晴らしく、それぞれに良い味を出しています。カール・アーバンは復讐心に燃える男ウィリアム・”ビリー”・ブッチャーを好演。アントニー・スターが演じるホームランダーはかなり心が病んでいて何をしでかすかわからない怖さが物語を盛り上げます。また、デニス・クエイドとメグ・ライアンの実の息子ジャック・クエイドは、物語の鍵を握る青年ヒューイ・キャンベルの多面性を見事に演じています。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン1』エリン・モリアーティ

「R-18+」と付いてあるように過激な描写が含まれます。でも過激なだけではない深みがあり、何よりもおもしろい!皆さんもぜひ観てみてください。

海外ドラマ『ザ・ボーイズ シーズン1』

『ザ・ボーイズ シーズン1』
2019年7月26日よりAmazon Prime Videoにて配信中/DVD販売中
R-18+
Amazonプライムビデオで観る

© Amazon Studios

TEXT by Myson

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