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BETTER MAN/ベター・マン【レビュー】

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映画『BETTER MAN/ベター・マン』映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス

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イギリスのポップスター、ロビー・ウィリアムスの半生を描いた本作の監督は、『グレイテスト・ショーマン』を手掛けたマイケル・グレイシーが務めています。本作の公式サイトには、『グレイテスト・ショーマン』と本作の縁を示すグレイシー監督の興味深いコメントがあります。『グレイテスト・ショーマン』を製作していた時、主演のヒュー・ジャックマンは「ロビー・ウィリアムスのように!」と何度もロビーの名前を引き合いに出して演技をしていたそうです。その後、ロビーと友人になったグレイシー監督は彼の半生を描いたミュージカルを作りたいと思ったといいます。

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス

そして、本作でロビー・ウィリアムス本人は猿の姿で主演を務めています。映画公式サイトによると、自らを“パフォーミング・モンキー”と捉えているロビー自身の視点から描くべきだとグレイシー監督は考えたようです。グレイシー監督は、猿の姿によって「不完全で、矛盾に満ち、それでいて輝きを放つ彼の本当の姿を明らかにしている」とコメントしています。

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス
映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス

いち観客として、猿の姿が功を奏している点をより具体的に考えてみると、自分はどこか違うと感じながら生きている孤独感と同時に、個性ともとれる特別感が際立っています。また、一見ユーモアを持ち合わせているようでいてどこか寂しげなキャラクター性が、より強調されているように感じます。そして、野性味と賢さが同居している点でも魅力的で興味深いキャラクターに思えます。このユニークな描写は賛否両論出そうではありつつ、そのチャレンジ精神に共感を覚えます。

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス

そして何より心に響いたのは、祖母の優しさと言葉です。ロビーが才能を発揮し、父からの愛情に飢えて苦しむなかで自分らしく強く生きようと踏ん張れたのは、祖母の存在があったからだと感じます。1人でも自分を引っ張って、大きな愛で包み応援してくれる大人がそばにいることが、いかに子どもにとって大切かを実感できます。歌と踊りはもちろん、人間ドラマもじっくり味わってください。

デート向き映画判定

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス

トップスターの恋愛模様なので、一般庶民の恋愛とは違うだろうと、自分達の現実とは距離を置いて観る方が多いと思います。ただ、2人とも同じ業界、同じ職場にいたり、近い職業のカップルは、若干自分達の状況に紐付けて観てしまう部分があるかもしれません。そんな心配がない方は、人間ドラマとともに、圧巻のミュージカルシーンを存分にお楽しみください。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス

父と子の物語であり、子どもの頃から大人になるまでを描いているので、皆さんも等身大で観られる部分があると思います。切なくなる展開も多い一方で、主人公がその辛さを乗り越えていく姿は良い手本にできるし、暴走してしまう姿は反面教師として観られるでしょう。アクロバティックなシーンなどもあり、純粋に娯楽としても楽しめます。

映画『BETTER MAN/ベター・マン』映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス

『BETTER MAN/ベター・マン』
2025年3月28日より全国公開
PG-12
東和ピクチャーズ
公式サイト

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TEXT by Myson

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