REVIEW

ボブという名の猫2 幸せのギフト【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ボブという名の猫2 幸せのギフト』ルーク・トレッダウェイ/クリスティーナ・トンテリ=ヤング

前作で、猫のボブと出会い、薬物依存を克服しベストセラー作家の仲間入りを果たしたジェームズ。本作の冒頭では、ベストセラー作家となったジェームズと、変わらず彼の肩に乗っているボブの姿が映りますが、物語の軸は薬物依存克服後もまだジェームズが苦しい日々を送っていた頃のクリスマスの出来事です。前作はジェームズの再起の物語でしたが、本作はジェームズとボブの両方に訪れた危機を描いています。
前作の内容だけでも彼らの辛さがしみじみと伝わってきますが、本作で語られる彼らに起こった別の理不尽な出来事に一層胸が痛みます。でも、同時に彼らを救おうと行動する人々もたくさんいることが描かれていて、生きていく上で人はどちらに目を向けるべきなのかヒントをもらえます。
そして本作でもボブの愛らしさにすごく心を癒されます。BBCの報道によると、ボブは2020年6月15日に亡くなったとのことで、本当に寂しいですが、本作でもボブ自身として出演していますので、作品でぜひ彼に会ってください。

デート向き映画判定
映画『ボブという名の猫2 幸せのギフト』ルーク・トレッダウェイ/クリスティーナ・トンテリ=ヤング

ジェームズとボブの姿や、彼らを支える周囲の人々の姿を観ると、優しい人間になりたい、なろうと思えます。観ていて辛くなる部分もありますが、優しさと愛に溢れるストーリーなので、デートの雰囲気も良くしてくれるでしょう。喧嘩中のカップルやマンネリカップルも、本作を観るとお互いの存在の愛おしさを再確認できて、一層良い関係に発展させられるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ボブという名の猫2 幸せのギフト』ルーク・トレッダウェイ

動物が好きな方はもちろん、これまであまり興味がなかった方も、本作を観ると動物と触れあいたくなるのではないでしょうか。言葉は通じなくても心は通じるということがよくわかると思います。そして、こちらが世話をしていると思っていても、本当はこちらが救われている、いろいろなことを教わっているのだと感じられるはずです。また、世の中にはいろいろな人間がいて、敵視したくなる人もいますが、味方もたくさんいることが伝わってくるストーリーです。孤独で辛い思いをしている方は観てみてください。

映画『ボブという名の猫2 幸せのギフト』ルーク・トレッダウェイ

『ボブという名の猫2 幸せのギフト』
2022年2月25日より全国公開
コムストック・グループ
公式サイト

© 2020 A GIFT FROM BOB PRODUCTION LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

TEXT by Myson


ボブという名の猫 幸せのハイタッチ【レビュー】

なんて素敵なストーリーなんでしょう!ポスタービジュアルがポップな印象なので、猫ちゃんと飼い主の楽しい日々を描いたほのぼのとした作品なのかと思っていたら、良い意味で予想を裏切られました。猫チャンと飼い主の心温まるストーリーというところは予想通りですが、描かれているのは一日いちにちを生き伸びるために必死に闘っていた彼らの姿です。そして驚くべきことに本作は実話を基にしています。
主人公のジェームズ(ルーク・トレッダウェイ)は、薬物依存で家族にも見放され、ホームレス生活を送っています。彼はストリート・ミュージシャンをしていますが、部屋を借りて充分な食べ物を得るほどは稼げません。でも、そんな彼の状況を見かねた支援員のヴァル(ジョアンヌ・フロガット)によって、彼は部屋を借り、薬物依存から抜け出すための更正プログラムを受けることになります。そんなある日、一匹の猫が彼の部屋に舞い込んできます。それがこの後ジェームズの親友となるボブ。ボブとジェームズがどんな風に絆を深めていくのかは本編を観ていただければと思いますが、ボブは本当に特別な猫というか、猫の姿をした天使だと思わずにはいられません。そして、ジェームズの人柄の良さもミラクルを引き出す要因だと感じます。辛い過去があり薬物依存に陥ってしまいましたが、彼の優しさは失われておらず、自分がどんなに大変な時でもボブや周囲の人を大事にする姿に心を打たれます。そんな彼だからこそボブは彼の元にやってきて、彼にミラクスを起こしたのだなと思います。
またボブの仕草や行動がとてもチャーミングで、ジェームズとハイタッチをしたり、まるで人間の言葉を理解しているような反応をしたり、それだけでも驚きます。さらに本作でボブ自身がほとんどのシーンを演じているというから驚き。本当に賢い猫チャンです。
本作は猫好きな方はもちろん、特別猫が好きというのでなくても、彼らの姿を観ているだけで本当に心が救われます。いろいろな気づきも与えてくれるので、どん底な気分の時にこそ観て欲しい1作です。

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』
ブルーレイ&DVDレンタル、販売中/デジタル配信中
公式サイト

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  2. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  4. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック
  5. 映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP