REVIEW

ポルトガル、夏の終わり

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ポルトガル、夏の終わり』イザベル・ユペール/マリサ・トメイ

ポルトガルの世界遺産シントラの町が舞台となっていて、自然に囲まれたのどかで美しい風景を見ているだけで行ってみたくなります。本作は、主人公フランキーの呼びかけによって集まった家族とその友人が織り成す群像劇ですが、皆が到着した朝からその日の夕方にかけての時間だけで、とてもドラマチックな人間模様が映し出されていきます。キャラクター達の会話から、フランキーは普段女優として活躍しているのがわかりますが、彼女は病を抱えていて余命わずかです。だからこそ、残される家族達を思い、最後の世話焼きなのか、いろいろな思いを胸に家族を集めます。彼女の思惑通りにいくかどうかは映画を観てのお楽しみですが、彼女が思っているほど物事は簡単ではないにしても、家族それぞれが今目の前にある問題に向き合っていく姿が、何だか優しさに包まれているような雰囲気に見えるのが不思議です。イザベル・ユペール、ブレンダン・グリーソン、マリサ・トメイ、ジェレミー・レニエ、グレッグ・キニアといった実力派が揃い、物語の大半は会話劇で構成されていますが、ラストにおいては言葉で語らず画で魅せるシーンになっていて、フランキーが辿ってきた道や家族の繋がりを象徴しているかのようでとても情緒的です。そして、何といってもフランキーを演じるイザベル・ユペールの演技と彼女が醸し出すムードがあってこその完成度の高さに圧倒されます。神秘的なムードに包まれた美しい情景とともに優雅に流れる時間を味わってください。

デート向き映画判定
映画『ポルトガル、夏の終わり』イザベル・ユペール

人生の終わりを迎えようとする女性とその家族、友人の物語で、主人公夫婦や、その子ども達も大人です。夫婦とは何ぞやという会話もいろいろ出てくるので、大人のカップルや夫婦で観るととても親近感が湧くと思います。夫婦の価値観、男女の価値観を見つめ直すきっかけになるので、普段話しづらいことも映画の感想を述べるなかで伝えてみてはどうでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ポルトガル、夏の終わり』イザベル・ユペール/ブレンダン・グリーソン/マリサ・トメイ/ジェレミー・レニエ/パスカル・グレゴリー/ヴィネット・ロビンソン/グレッグ・キニア

ティーンのキャラクターも登場するので、彼女の目線で観るのも良いですが、大人になってから観るほうがより感情移入しやすいとは思います。でも、心と言葉が裏腹なところを表情からうかがったり、抽象的な描写の中にある意味を見つけるのが好きな人には楽しめる作品だと思います。読書が好きな人、絵画が好きな人の好みにもハマりそうな気がします。興味があれば観てみてください。

『ポルトガル、夏の終わり』
2020年8月14日より全国順次公開
ギャガ
公式サイト

© 2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA © 2018 Photo Guy Frerrandis / SBS Productions

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『マーズ・エクスプレス』 マーズ・エクスプレス【レビュー】

西暦2200年の火星の首都ノクティスを舞台に描かれる本作のタイトルは、「20年以上にわたり宇宙で活動をつづけている実在の火星探査機〈マーズ・エクスプレス〉の名」がつけられています…

映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』ポール・ジアマッティ ポール・ジアマッティ【ギャラリー/出演作一覧】

1967年6月6日生まれ。アメリカ出身。

映画『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』ソン・ヘギョ 悪魔退治のノウハウ—韓国映画にみる悪魔祓い

今回は韓国映画の悪魔祓いにスポットを当ててご紹介します。

映画『HELP/復讐島』レイチェル・マクアダムス HELP/復讐島【レビュー】

本作のストーリーと演出はぶっ飛んでいて…

Netflixドラマ『ザ・ポリティシャン シーズン1』ジェシカ・ラング ジェシカ・ラング【ギャラリー/出演作一覧】

1949年4月20日生まれ。アメリカ、ミネソタ州クロケット出身。

【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集! 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!

2025年10月から始めた映画学ゼミは、皆様のおかげで第4回(全8コマ)を実施できました。本当にありがとうございます! 2026年に入り、プチリニューアルし、第5回を実施します。

映画『ランニング・マン』グレン・パウエル ランニング・マン【レビュー】

1982年、原作者のスティーヴン・キングはリチャード・バックマンというペンネームで、本作の原作小説「ランニング・マン」を出版し、1985年にキング本人の名前で…

映画『終点のあの子』當真あみ/中島セナ 終点のあの子【レビュー】

『伊藤くんA to E』『私にふさわしいホテル』『早乙女カナコの場合は』などの原作者としても知られる柚木麻子のデビュー作「終点のあの子」が映画化…

映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』ローラ・カーマイケル ローラ・カーマイケル【ギャラリー/出演作一覧】

1986年7月16日生まれ。イギリス出身。

映画『MERCY/マーシー AI裁判』クリス・プラット/レベッカ・ファーガソン MERCY/マーシー AI裁判【レビュー】

人間 vs. AIという構図になっているかと思いきや…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集! 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!

2025年10月から始めた映画学ゼミは、皆様のおかげで第4回(全8コマ)を実施できました。本当にありがとうございます! 2026年に入り、プチリニューアルし、第5回を実施します。

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!
  2. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  3. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集

REVIEW

  1. 映画『マーズ・エクスプレス』
  2. 映画『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』ソン・ヘギョ
  3. 映画『HELP/復讐島』レイチェル・マクアダムス
  4. 映画『ランニング・マン』グレン・パウエル
  5. 映画『終点のあの子』當真あみ/中島セナ

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP