ディズニーアニメの『101匹わんちゃん』やグレン・クローズがクルエラを演じた実写版『101』を観た方なら特にクルエラのイメージは濃く残っていると思います。でも、本作は良い意味でそれを裏切る部分が多く、「クルエラって、そうだったんだ!」という要素が多く描かれています。本作は、クルエラの子どもの頃の物語から始まり、その生い立ちが明かされます。彼女の生い立ちもドラマの重要な要素となっていますが、もう一点特徴的なのはファッション映画といっても良いほど、アーティスティックな要素が多い点です。クルエラのファッションはどうやって生まれたのか、ダルメシアンとの因縁はどこから生まれたのか、そういった疑問に答える内容になっていて、さらに音楽も印象的に使われています。
エマ・ストーンが演じるクルエラは毒っ気はありつつ、キュートでスタイリッシュなので、ビジュアル的な魅力にハマるのはもちろん、苦難を強いられながらも生き延びるためにあらゆる手段を取る様子に共感してしまう部分もあり、ヴィランのはずのクルエラをどこか応援したくなります。一方、もう1人強烈なキャラクターが登場するのも見どころ。バロネスというそのキャラクターはエマ・トンプソンが見事に演じていて、『プラダを着た悪魔』のアンディ(アン・ハサウェイ)とミランダ(メリル・ストリープ)を彷彿とさせるストーリー展開も楽しめます。とにかく絶対に女子が好きな作品だと思うので、見逃さないでください!
ラブロマンスの要素はほぼなく、気まずいシーンもないので、初デートで観てもOKでしょう。ビジュアル的に華やかで、音楽も効果的に使われているので、最初から最後まで集中して観られると思います。また、クルエラの生い立ちが描かれているので、映画鑑賞後は、自然にお互いの生い立ちを話すきっかけにもできそうです。
134分とやや長めの上映時間ですが、テンポ良く物語は進み、観やすい内容なので小学生でも楽しく観られると思います。ティーンは等身大で観られる部分がより多く、ファッションや音楽に興味が出てきた人は特に、良い刺激を得られるでしょう。クルエラの言動は真似をしないほうがよいこともありますが、見習うべきところも描かれています。単純に悪役と括らずに、1人の少女の物語として純粋に楽しんでください。
『クルエラ』
2021年5月27日より映画館 and 5月28日よりディズニープラス プレミア アクセスにて公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
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TEXT by Myson