REVIEW

神と共に 第二章:因と縁

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『神と共に 第二章:因と縁』ハ・ジョンウ/チュ・ジフン/キム・ヒャンギ/D.O.(EXO)/マ・ドンソク

第一章から語られている概念は共通していながら、視点がガラリと変わって、本作のほうが人間のダークな面にフォーカスした内容になっています。でも、だからこそ人間味が感じられるストーリーになっていて、第一章とは違う方向から心をついてくるはず。第二章でも別の死者による地獄の旅が描かれるのですが、同時に使者達にフォーカスする物語となっていて、第一章でさりげなく張られていた伏線が活かされ、使者達の過去が徐々に明かされていき、「だからそうだったのか!」と、謎がどんどん解けていきます。キャラクター同士の過去が複雑に絡み合い、まさに“因と縁”という副題の通りなのですが、これまたキャラクター設定の上手さに圧倒されます。そして、注意深く観ないとノーマークになりそうなキャラクターにも大きな謎が隠されていて、ラストはすべてが繋がり本当に爽快です。第一章も然り、本作もとても哲学的なストーリーですが、本作では「人生で本当に辛いこととはどういうことか」「本当の罪とは何か」「許されるとはどういう心の状態か」など、深い概念が提起されています。「生まれ変わりたくない」という主張も出てきますが、そういった仏教の輪廻や解脱を彷彿とさせる設定も興味をそそります。地獄が舞台なのに、タイトルが“神と共に”である所以も最後まで観たらわかるはず。エンドロール中にもタネ明かしがあるので、最後の最後まで席を立たずに観てください。本当に見応えのある作品で必見です!

デート向き映画判定
映画『神と共に 第二章:因と縁』ハ・ジョンウ/チュ・ジフン/キム・ヒャンギ/D.O.(EXO)

ぜひ第一章も一緒に観た上で、本作も観て欲しいのですが、人の出会い、因縁について考えさせられる内容なので、観終わった後は自分達が出会った縁について考えてみると、運命的な繋がりを感じられるかも知れません。途中は胸が痛くなる部分もありますが、清々しい結末を迎えるので、デートでも安心して観てください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『神と共に 第二章:因と縁』チュ・ジフン/キム・ヒャンギ

描き方は極端かも知れませんが、第一章に引き続き、道徳の授業で観ても良さそうなテーマを扱っていると思います。人間関係の複雑さと、人間が体験する経験の中でも本当に辛い部分を描いていますが、程度はいろいろにしても、皆さんの普段の生活の中で似たようなことは誰にでも絶対にあるはずなので、共感できると思います。そういう考え方もあるんだなという内容も多くあるので、人間関係で悩んでいたら、頭と心を少し柔らかくできるでしょう。

映画『神と共に 第二章:因と縁』ハ・ジョンウ/チュ・ジフン/キム・ヒャンギ/D.O.(EXO)/マ・ドンソク

『神と共に 第二章:因と縁』
2019年6月28日より全国公開
ツイン
公式サイト

© 2019 LOTTE ENTERTAINMENT & DEXTER STUDIOS All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「なんとなく孤独、これでいいの?」

今回も、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談を2件取り上げました。最後に、2025年10月劇場公開作品の中で特にオススメの3作品を紹介しています。

映画『ローズ家~崖っぷちの夫婦~』オリヴィア・コールマン/ベネディクト・カンバーバッチ ローズ家~崖っぷちの夫婦~【レビュー】

REVIEW昔、同じような設定の映画があった気がすると思っていたら、やはり元ネタはマイケル…

映画『恋に至る病』長尾謙杜/山田杏奈 恋に至る病【レビュー】

斜線堂有紀による小説を、長尾謙杜と山田杏奈をW主演に迎え映画化した本作。転校生の宮嶺(長尾謙杜)は…

映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗 『爆弾』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『爆弾』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『おーい、応為』長澤まさみ 心理学から観る映画58:遺伝と環境がヒトに与える影響『おーい、応為』

今回は、葛飾北斎の娘、お栄(長澤まさみ)の半生を描いた『おーい、応為』を題材に、遺伝と環境が才能に与える影響について考えてみます。

海外ドラマ『ウェンズデー シーズン2』ジェナ・オルテガ ジェナ・オルテガ【ギャラリー/出演作一覧】

2002年9月27日生まれ。アメリカ出身。

映画『愚か者の身分』北村匠海/林裕太/綾野剛 愚か者の身分【レビュー】

闇ビジネスに関するニュースが増えてきた日本において、本作で描かれているような出来事は…

映画『次元を超える』窪塚洋介/松田龍平 次元を超える【レビュー】

キービジュアルとタイトル、「人はどこから来て、どこへ行くのか」という意味深なキャッチコピーだけで観たくなったのは…

映画『見はらし世代』黒崎煌代 黒崎煌代【ギャラリー/出演作一覧】

2002年4月19日生まれ。兵庫県出身。

映画『ヒポクラテスの盲点』 ヒポクラテスの盲点【レビュー】

新型コロナウイルスワクチンの被害が起こっている現実に着目した、中立した立場の取材に基づくドキュメンタリー…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

AXA生命保険お金のセミナー20251106ファイナンシャルプランナーversion ファイナンシャルプランナーから学ぶ【明るい未来のための将来設計とお金の基本講座】女性限定ご招待!

本セミナーでは、「NISA・iDeCoなどの資産形成」「子どもの教育資金」「将来受け取る年金」「住宅購入・住宅ローン」「保険」など、将来に役立つお金の知識や情報、仕組みやルールについて、ファイナンシャルプランナーの先生が初めての方でもわかりやすく優しく教えてくれます。

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『おーい、応為』長澤まさみ
  2. AXA生命保険お金のセミナー20251106ファイナンシャルプランナーversion
  3. 映画学ゼミ:アイキャッチ1/本の上の犬と少女

REVIEW

  1. 映画『ローズ家~崖っぷちの夫婦~』オリヴィア・コールマン/ベネディクト・カンバーバッチ
  2. 映画『恋に至る病』長尾謙杜/山田杏奈
  3. 映画『愚か者の身分』北村匠海/林裕太/綾野剛
  4. 映画『次元を超える』窪塚洋介/松田龍平
  5. 映画『ヒポクラテスの盲点』

PRESENT

  1. 映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗
  2. 映画『モンテ・クリスト伯』ピエール・ニネ
  3. AXA生命保険お金のセミナー20251106ファイナンシャルプランナーversion
PAGE TOP