REVIEW

夏目アラタの結婚【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『夏目アラタの結婚』柳楽優弥/黒島結菜

REVIEW

品川ピエロこと品川真珠(黒島結菜)は、バラバラ連続殺人の罪で死刑判決を下されます。児童相談員の夏目アラタ(柳楽優弥)はひょんなことから、獄中の真珠を面会することになり、真珠について知っていた情報と実際の本人とのイメージの違いに驚かれます。そして、アラタはある目的を果たすべく、真珠にプロポーズし、獄中結婚をすることに。アラタは真珠に会う度にあることを聞き出そうとするなか、真珠もアラタを試すかのように徐々に情報を出していきます。
序盤で出てくる、死体がバラバラにされた血みどろの現場が映るシーンとは打って変わって、予想もしない展開が出てきます。そして、死刑囚として見ていた真珠の背景が見えてくればくるほど、謎が謎を呼ぶカラクリが隠されていて、品川真珠という人物の複雑性が最大限に高まった後、一気に伏線が回収され、爽快感をもたらしてくれます。

映画『夏目アラタの結婚』柳楽優弥/佐藤二朗

「死刑囚にプロポーズ」という設定だけ聞くと、あまりに非現実的で、漫画的に思う方もいるかもしれませんが、予想に反して現実味を残している要素が複数あります。サスペンスとしてのおもしろさに加えて、そうしたリアリティを残した点でも原作コミックは人気なのでしょう。
夏目アラタを演じる柳楽優弥と、品川真珠を演じた黒島結菜の名演、堤幸彦監督ならではのトーンも本作の世界観を映像化する上で功を奏しています。意外性を大いに楽しめる作品なので、スリリングな作品が苦手という方もぜひトライしてみてください。

デート向き映画判定

映画『夏目アラタの結婚』柳楽優弥/中川大志

原作を読んでいたらいたで、どのように映像化されているのかを観て楽しめるでしょうし、前情報を全く入れずに観れば純粋に驚きを持って観ることができるので、2人とも興味があればデートで観るのもありでしょう。どれくらい伏線を回収できたか話したくなるので、鑑賞後の会話も弾みそうです。少し怖いシーンも出てきますが、カップルで観て気まずくなるシーンはないのでご安心を。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『夏目アラタの結婚』黒島結菜

小学生にはちょっと刺激が強いシーンもあるので、せめて中学生くらいになってから観るほうが良いのではないでしょうか。推理をしながら観るおもしろさがあるので、頭の体操に観るのも良いですよ。キャラクターの不可解な言動は最後にタネ明かしがされます。最初から集中して、気になるポイントを念頭に入れながら観てください。

映画『夏目アラタの結婚』柳楽優弥/黒島結菜

『夏目アラタの結婚』
2024年9月6日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©乃木坂太郎/小学館 ©2024映画「夏目アラタの結婚」製作委員会

TEXT by Myson


関連作

「夏目アラタの結婚」乃木坂太郎 著/小学館ビッグコミックスペリオール
Amazonで書籍を購入する

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年8月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ ロストランズ 闇を狩る者【レビュー】

“バイオハザード”シリーズでお馴染みの2人、ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン夫妻が再びタッグを組み、“ゲーム・オブ・スローンズ”の原作者、ジョージ・R・R・マーティンの短編小説を7年の歳月をかけて映画化…

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ
  2. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  3. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール
  4. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  5. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP