REVIEW
ロバート・エガース監督は幼い頃にサイレント映画『吸血鬼 ノスフェラトゥ』(1922年)の虜になり、同作を敬愛するヘンリック・ガレーンによる脚本と、ブラム・ストーカーが書いた小説「吸血鬼ドラキュラ」にインスパイアを受けて、本作を作ったそうです(映画公式サイト)。

エガース監督の過去作『ウィッチ』『ライトハウス』『ノースマン 導かれし復讐者』にも通じるダークでクールな絵画的世界観は、本作でも健在です。リリー=ローズ・デップが演じるエレンは、この絵画的な世界観でより美しさが際立っています。そして、吸血鬼であるオルロック伯爵は、『IT/イット THE END “それ”が見えたら終わり。』でペニーワイズ役を演じたビル・スカルスガルドが演じています。独特な背景を持つおどろおどろしいキャラクターを演じさせるならビル・スカルスガルド、とすぐに浮かぶくらい、彼は確固たる地位を築きましたね。オルロック伯爵は、ビルの本来の姿がわからないくらい迫力のあるビジュアルになっているので乞うご期待。

本作には他にもクレイジーなキャラクターが登場し、かなりショッキングなシーンも出てきます。どう考えても行ってはいけない場所にある人物が向かう展開は、ツッコミを入れながらもハラハラドキドキを味わえます。なので、心の中でワーキャーいいながらアトラクション感覚で観るのもアリでしょう。

一方で何に救済を求めるか、その救済には代償が必要か、それとも信仰が必要かというような宗教的な視点で観るおもしろさもあります。太刀打ちできない圧倒的な存在に世界が支配されようとする状況で、運命を握る人間はどちらを選ぶのか、乞うご期待。
デート向き映画判定

予想以上に愛がキーポイントになっているストーリーです。とはいえ、甘過ぎるラブストーリーというのではなく、圧倒的な存在に対峙するために要となっているのが愛であるというスタンスです。だから、本作に登場する夫婦がお互いを思い合う姿に共感できると思います。ただし、気味の悪い描写、むごい描写があるので、初デートで観るのは避けたほうが良さそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定

PG-12で小学生以下の皆さんが観る場合は、大人と一緒に観ることが推奨されているものの、オルロック伯爵が相当不気味で、刺激的なシーンも複数あります。人によってはトラウマになる可能性もあるので、もう少し大きくなって、いろいろな映画を観て、耐性がついてから観るほうが良いでしょう。

『ノスフェラトゥ』
2025年5月16日より全国公開
PG-12
パルコ、ユニバーサル映画
公式サイト
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TEXT by Myson
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