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ノーヴィス【レビュー】

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映画『ノーヴィス』イザベル・ファーマン

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ノーヴィスとは、「スポーツ分野においては競技者の分類として使われ、一定のランクに達していない初心者」(映画公式サイト)のことです。本作の主人公は、大学に入学し、ボート競技を始めた、いわゆる“ノーヴィス”のアレックス(イザベル・ファーマン)です。アレックスはコーチの何気ない言葉にも耳を傾け、目標をノートに書いたり、最初から熱心な様子がうかがえます。そして、大学の授業のテストでも最後まで回答を練り続け、何事に対しても人並外れて努力する性格であることがわかります。

映画『ノーヴィス』イザベル・ファーマン

一見、スポ根ドラマなのかなと思いきや、爽やかな空気ではなく、中盤から鬼気迫る空気が出てきます。アレックスだけでなく、チームメンバーは皆一軍入りを目指して練習に励むなか、それぞれに理由がある点も物語の鍵となっています。アレックスの場合、どういう背景があるのかは本編を観ていただくとして、本作の結末を観ると、競争の先にあるもの、本当の戦いの意味とはなんぞやというのを考えさせられます。周囲のなだめに抵抗するアレックスが没頭する姿は観ていて怖くなるものの、少しわかるところもあります。やり切るまで満足がいかない場合、本人にとっては苦痛を通り越していて、むしろ達成した先にあるものを見てみたいという気持ちになっているのではないでしょうか。ちなみに本作はローレン・ハダウェイ監督の実体験が基となっているそうです。

映画『ノーヴィス』イザベル・ファーマン

主演は“エスター”シリーズのイザベル・ファーマンです。“エスター”の演技も強烈ながら、本作でも真に迫った演技を見せています。皆さんも狂気の世界に浸ってみてください。

デート向き映画判定

映画『ノーヴィス』ディロン

見た目に痛々しいシーンや、ベッドシーンも少しあるので、初デートには不向きかもしれません。明るいテンションのストーリーではなく、異常なまでにボート競技に没頭する主人公のストーリーなので、ロマンチックなムードは期待できないと思います。ただ、今まで何かに打ち込んできたことがあれば話したくなる内容ではあるので、お互いを知る機会になる可能性はあるでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ノーヴィス』イザベル・ファーマン

スポーツでも勉強でも、何かに必死に取り組んだことがある方や、何かを始めると自分が納得いくまでやらないと気が済まない方は特に、主人公の心情に共感できるでしょう。本作を観ていると、同じことに取り組んでいても、自分が求めているものと、周囲が求めていることの違いに気づいたり、客観視できると思います。そうして客観視ができた時に、改めて自分はどうしたいか、気持ちの整理ができるかもしれません。いつも周囲と何か違うと感じている方は、観てみてはいかがでしょうか。

映画『ノーヴィス』イザベル・ファーマン

『ノーヴィス』
2024年11月1日より全国公開
AMGエンタテインメント
公式サイト

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© The Novice, LLC 2021

TEXT by Myson

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