REVIEW

ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』

REVIEW

J. R. R. トールキン作「指輪物語」は、映画化、ドラマ化され、この度アニメ化されました。ただし、本作で描かれる物語は、原作では数ページで構成される追補編に登場する、キャラクター名もないプリンセスを主人公とした、オリジナルストーリーです。

映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』

映画公式資料でジョセフ・チョウ(製作)は、「この作品で描くのはヘルム王の有名な伝説です。(中略)フィリッパの独創的なところは、原作では名前すらなかった娘に焦点を当てたことだと思います」とあります(フィリッパ・ボウエンも製作者の一人)。一方で、トールキンが作った物語を膨らませることについて、脚本家の一人フィービー・ギッティンズは「名誉なことですが、プレッシャーももちろん大きいです。トールキンと原作ファンはもちろんのこと、オリジナルの映画製作者たちの功績にも泥を塗るわけにはいかないですから」と述べています。こうした言葉から、大きな覚悟をもって本作を作ったことが伝わってきますね。

映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』

そんな本作の製作総指揮は、“ロード・オブ・ザ・リング”“ホビット”シリーズと実写版で監督を務めたピーター・ジャクソン、監督は、『東のエデン』『攻殻機動隊S.A.C.』等を手がけ、日本のアニメ界を牽引する神山健治が務めています。これは、実写版のファンにとっても心強いですね。
本作の舞台は、“ロード・オブ・ザ・リング”の200年前の世界です。人間の国ローハンは、ヘルム王により統治され平和が保たれていました。そんなある日、野心を燃やす人物の愚行によって、調和が乱れます。そして、ヘルム王達は戦いを余儀なくされた上に窮地に立たされ、ローハンの存続は、ヘルム王の娘ヘラに託されることになります。

映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』

本作では、ヘラと共に盾の乙女エオウィンが大活躍します。アクションシーンにもこだわりが見えて、合戦のシーンだけではなく、接近戦も印象に残ります。また、伏線回収も楽しめるストーリーになっているので、最初から注意深く観てください。最後には、“ロード・オブ・ザ・リング”のメインストリームに繋がる要素が出てくるので、シリーズを一通り観ているファンは特にテンションが上がるはずです。一方で時系列としては、本作を観てから実写映画を観るという順番でも楽しめるので、まだ“ロード・オブ・ザ・リング”を全く観たことがない方も安心してご覧ください。

デート向き映画判定

映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』

“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズを全く知らなくてもついていけるストーリーなので、その点は気にせずに2人とも興味があれば一緒に観るのもアリでしょう。ただし、一方が熱狂的な“ロード・オブ・ザ・リング”ファンの場合、テンションの違いは出てくるかもしれません。鑑賞後に“ロード・オブ・ザ・リング”話に華を咲かせたい方は、同じ“ロード・オブ・ザ・リング”ファンと観るほうが良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』

“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズの映画やドラマを全く観たことがない方、作品名すら知らない方でもアニメなら入り易いということもあるでしょう。本作で描かれるのは、壮大な物語の一部なので、本作を観るときっとメインストリームの内容も観たくなると思います。興味を持ったらぜひ、一通り観てみてください。エンタテインメントとして楽しめるのはもちろん、どうして人の心に悪が芽生えてしまうのか、どんな立場でも闇に呑まれてしまうのかを考えるきっかけとなります。

映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』

『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』
2024年12月27日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

© 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

TEXT by Myson


関連作:

『ロード・オブ・ザ・リング』
映画史を物語るクリーチャー映画特集
Amazonでブルーレイを購入する Amazonプライムビデオで観る

『ホビット 思いがけない冒険』
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定  小説家で観る映画特集Vol.1
Amazonでブルーレイを購入する Amazonプライムビデオで観る

『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』
ドラマ批評
Amazonプライムビデオで観る

『トールキン 旅のはじまり』
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
Amazonプライムビデオで観る

J. R. R. トールキンの小説一覧
Amazonで書籍を購入する

© Amazon Studios

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『#真相をお話しします』大森元貴/菊池風磨 #真相をお話しします【レビュー】

予想外の展開がいくつもテンポ良く出てくるので、約2時間の…

映画『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』タリア・ライダー JOIKA 美と狂気のバレリーナ【レビュー】

2012年、バレリーナのジョイ・ウーマックはアメリカ人女性で初めてボリショイ・バレエ団と…

映画『愛を耕すひと』アマンダ・コリン アマンダ・コリン【ギャラリー/出演作一覧】

1986年3月4日生まれ。デンマーク、ラングステッド出身。

映画『異端者の家』ヒュー・グラント/ソフィー・サッチャー/クロエ・イースト 異端者の家【レビュー】

タブーにかなり踏み込んでいる印象で、とても驚きました。宗派を問わずキリスト教徒が…

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『けものがいる』レア・セドゥ けものがいる【レビュー】

毎度ながら前情報を入れずに観て、最初のシーンで「?」、次のシーンでも「?」となりながら、徐々に…

映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』ケイト・ウィンスレット 『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』プレミアム先行試写会 10名様ご招待

映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』プレミアム先行試写会 10名様ご招待

映画『けものがいる』レア・セドゥ 『けものがいる』鑑賞券(ムビチケ) 3組6名様ご招待

映画『けものがいる』鑑賞券(ムビチケ) 3組6名様ご招待

生き別れた兄弟のような関係、ニコラス・ウィンディング・レフン、小島秀夫がプラダ青山店にて展覧会【SATELLITES】を開催!

ニコラス・ウィンディング・レフンと小島秀夫による展覧会【SATELLITES】が、プラダ青山店にて2025年4月18日から8月25日まで開催されます。開催を記念して、ニコラス・ウィンディング・レフンと小島秀夫がトークイベントを行いました…

映画『マインクラフト/ザ・ムービー』ジェイソン・モモア/エマ・マイヤーズ/ダニエル・ブルックス/セバスチャン・ハンセン マインクラフト/ザ・ムービー【レビュー】

「2009年に誕生し、2011年に正式発売されて以来、瞬く間に世界を席巻」している大人気ゲーム“マインクラフト”(通称:マイクラ)が…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス
  2. 【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性
  3. 映画『風たちの学校』

REVIEW

  1. 映画『#真相をお話しします』大森元貴/菊池風磨
  2. 映画『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』タリア・ライダー
  3. 映画『異端者の家』ヒュー・グラント/ソフィー・サッチャー/クロエ・イースト
  4. 映画『けものがいる』レア・セドゥ
  5. 映画『マインクラフト/ザ・ムービー』ジェイソン・モモア/エマ・マイヤーズ/ダニエル・ブルックス/セバスチャン・ハンセン

PRESENT

  1. 映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』ケイト・ウィンスレット
  2. 映画『けものがいる』レア・セドゥ
  3. DMM TVオリジナルドラマ『ドンケツ』伊藤英明
PAGE TOP