REVIEW

リボルバー・リリー

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『リボルバー・リリー』綾瀬はるか

大正時代の日本を舞台に繰り広げられるガン・アクション。『リボルバー・リリー』とタイトルにリボルバーと入っているので当然ながら、邦画には珍しく銃撃戦が多く描かれています。合わせて肉弾戦が多い点でも、女性が主人公の邦画では希少価値を感じます。また、綾瀬はるか 長谷川博己 羽村仁成(Go!Go!kids/ジャニーズJr.)、シシド・カフカ、古川琴音、清水尋也、ジェシー(SixTONES)、阿部サダヲなど、豪華キャストが集結している点でも、東映の本作への気合いの入れようが伝わってきます。特に印象に残るキャラクターは、清水尋也です。掴みどころのない不気味なキャラクターを見事に演じています。彼はこういう役をやらせたらピカイチですね。また、ジェシー(SixTONES)も怪演ぶりを発揮しています。今後は映画俳優としての彼の活躍にも期待が膨らみます。さらに、阿部サダヲが山本五十六を演じているというのもなかなか新鮮ですよ。ラストにも人気俳優のサプライズがあるのでお見逃しなく。
完成披露試写会の後に行われた舞台挨拶でプロデューサーを務める紀伊宗之氏は、「東映らしい作品」という言葉を使って語っていました。何を「東映らしい」と感じるのかは各々異なるとはいえ、確かに東映らしさを漂わす作品はあるなぁと改めて感じました。それはきっとこれまでに大ヒットした東映作品にある共通点であり、大ヒットしたからこそ多くの方の記憶に深く残っている印象なのでしょう。あくまで私の個人的な印象ではありますが、「東映らしい作品」には、良い意味で血生臭く、哀愁が漂う作品が多い気がします。本作はまさにそんな作品です。そして、物語の背景には戦争というテーマが見え隠れします。暴力や金で物事を動かそうとする男性社会に抗う主人公を女性にした意味を想像しながら観ると、この物語の違った側面が見えてくると思います。

デート向き映画判定
映画『リボルバー・リリー』綾瀬はるか/長谷川博己/羽村仁成(Go!Go!kids/ジャニーズJr.)

ちらっとラブロマンスの要素がありつつ、ハードボイルドな作風なので、デートで観るのもアリだと思います。それぞれの年齢層にも馴染み深いキャストが揃っているので、年の差カップルでもとっつきやすいでしょう。ただし、やや好き嫌いは出そうなので、相手が普段好んで観る映画を聞いてから誘うと無難です。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『リボルバー・リリー』綾瀬はるか/羽村仁成(Go!Go!kids/ジャニーズJr.)

羽村仁成(Go!Go!kids/ジャニーズJr.)が演じる少年がキーパーソンです。年齢が近い分、キッズやティーンの皆さんも感情移入できるところがあるでしょう。他がすべて大人であるなか、子ども目線でではどう感じるのか、観終わったら大人と意見交換してみるのもおもしろいかもしれないですね。

映画『リボルバー・リリー』綾瀬はるか

『リボルバー・リリー』
2023年8月11日より全国公開
東映
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©2023「リボルバー・リリー」フィルムパートナーズ

TEXT by Myson

本ページの情報は2023年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

映画『金髪』白鳥玉季さんインタビュー 『金髪』白鳥玉季さんインタビュー

今回は『金髪』で生徒の板緑役を演じた白鳥玉季さんにインタビューさせていただきました。“金髪デモ”を起こすキーパーソンである板緑を演じた感想や、撮影裏でのエピソードを直撃しました。

映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉 TOKYOタクシー【レビュー】

クリスチャン・カリオン監督『パリタクシー』を原作とした本作は、東京にある柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設までの道のりを舞台に、山田洋次監督が映画化…

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『果てしなきスカーレット』
  2. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  3. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉
  4. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  5. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP