REVIEW

早乙女カナコの場合は【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『早乙女カナコの場合は』橋本愛/中川大志

REVIEW

柚木麻子の「早稲女、女、男」を映画化した本作は、主人公の早乙女カナコ(橋本愛)が大学に入学し、演劇サークルに所属する長津田(中川大志)と出会ってからの10年間を描いています。原作の設定とは異なり、本作では早稲田大学ではない大学名に変えられているものの、高田馬場にある老舗の映画館、早稲田松竹が出てきたり、高田馬場周辺で撮られたシーンがあるほか、長津田のバンカラなキャラクター設定など、早稲田大学らしいムードが感じられます。

映画『早乙女カナコの場合は』橋本愛/中川大志

2人の出会いはすごくロマンチックで、最初はキラキラした日々が描かれるものの、将来を考える場面で突如ムードが変わります。2人の関係は、他のキャラクターを交えてこじれにこじれていきます。カナコと長津田の関係だけでなく、他のキャラクターの恋愛の行方も気になるストーリーとなっています。

映画『早乙女カナコの場合は』橋本愛/中村蒼

恋愛関係は複雑に絡まるものの、恨み辛みの泥沼劇となっていない点が本作の魅力です。どのキャラクターも恋愛に悩みつつ、自分と向き合う姿勢がある点で共感できます。皆自分に正直だからこそ悩むけれど、自分も相手も大切にする恋愛が描かれています。
柚木麻子といえば、「私にふさわしいホテル」の原作者でもあります。本作には『私にふさわしいホテル』に関連するキャラクターも登場する嬉しい仕掛けもあります。複数の視点でお楽しみください。

デート向き映画判定

映画『早乙女カナコの場合は』臼田あさ美/中村蒼

カナコと長津田の恋愛関係が軸に描かれつつも、2人に関わる他のキャラクターも含め、さまざまな視点で観られます。生々しい展開もあるので、カップルで観るのは微妙な気もしますが、お互いに今の関係を客観視する機会が欲しい場合は敢えて一緒に観るのもアリでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『早乙女カナコの場合は』中川大志

良い悪いは抜きにして、恋愛の見本といえるシチュエーションが複数出てくる上に、就職の話題も出てくる点で、特にティーンの皆さんには身近なストーリーに感じられると思います。また、大学サークルの様子も出てくるので、いろいろな団体があり、これまで出会わなかったような人にも出会う機会があるとイメージできるのではないでしょうか。

映画『早乙女カナコの場合は』橋本愛/中川大志
映画『早乙女カナコの場合は』橋本愛/中川大志

『早乙女カナコの場合は』
2025年3月14日より全国公開
日活、KDDI
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

© 2015 柚木麻子/祥伝社 © 2025「早乙女カナコの場合は」製作委員会

TEXT by Myson


関連作

「早稲女、女、男」柚木麻子 著/祥伝社
Amazonで書籍を購入する(Kindle版)

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年3月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『金髪』白鳥玉季さんインタビュー 『金髪』白鳥玉季さんインタビュー

今回は『金髪』で生徒の板緑役を演じた白鳥玉季さんにインタビューさせていただきました。“金髪デモ”を起こすキーパーソンである板緑を演じた感想や、撮影裏でのエピソードを直撃しました。

映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉 TOKYOタクシー【レビュー】

クリスチャン・カリオン監督『パリタクシー』を原作とした本作は、東京にある柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設までの道のりを舞台に、山田洋次監督が映画化…

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉
  2. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  3. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  4. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  5. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP