REVIEW

親密な他人【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『親密な他人』黒沢あすか/神尾楓珠

行方不明になった息子の帰りを待つ主人公の恵(黒沢あすか)と、その息子の情報を知るという謎の青年、雄二(神尾楓珠)の不思議な人間模様がサスペンスと交えて描かれた本作。最初は恵の息子に対する愛情や心配から雄二に近づいているように見えますが、物語が展開するにつれて恵の行動に困惑させられ、「どうして?」という要素が増えていきます。一方、雄二自身にもどこか寂しさがあり、恵に自然と引き寄せられているように見えるので、最後までそれぞれの真意が気になります。
監督と脚本は、劇映画『ハリヨの夏』、ドキュメンタリー映画『ナオトひとりっきり』『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』などを手掛けてきた中村真夕が務めており、恵と雄二の絶妙な空気感はとても上手く表現されていて、黒沢あすかと神尾楓珠の演技力と監督の手腕を感じられます。そして、上村侑、尚⽞、佐野史郎、丘みつ⼦らが演じるキャラクターの登場も物語の良いアクセントとなっています。
全体的に静かなトーンで物語が進みますが、主人公2人の親子のような恋人のような関係に翻弄させられ、物語の真相にハラハラさせられます。サスペンス好きの方はもちろん、じっくり考えながら観るのが好きな方にも向いている作品だと思います。

デート向き映画判定
映画『親密な他人』黒沢あすか/神尾楓珠

ムードが盛り上がる要素はありませんが、サスペンス好きのカップルなら一緒に観るのもアリです。鑑賞後はお互いの推理を話し合うのも語り甲斐があると思います。また、恵と雄二はそれぞれ心に傷を抱えているキャラクターなので、同じように何か心に傷を抱えている場合はこれを機にパートナーに伝えるのも良いかも知れません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『親密な他人』黒沢あすか

恵と雄二の過去の出来事や心理を想像できたほうがより物語を理解できると思うので、キッズはせめて中学生以上になってから観てください。ティーンの場合は雄二目線で観られ、サスペンスとしても十分楽しめると思います。ただし、雄二はある悪いことをやっているのでそこだけは真似しないでくださいね。

映画『親密な他人』黒沢あすか/神尾楓珠

『親密な他人』
2022年3月5日より全国順次公開
シグロ
公式サイト

© 2021 シグロ/Omphalos  Pictures

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン 『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『新解釈・幕末伝』山下美月 山下美月【ギャラリー/出演作一覧】

1999年7月26日生まれ。東京都出身。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作 もういちどみつめる【レビュー】

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように…

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ メイソン・テムズ【ギャラリー/出演作一覧】

2007年7月10日生まれ。アメリカ生まれ。

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智
  2. 映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作
  3. 映画『果てしなきスカーレット』
  4. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  5. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉

PRESENT

  1. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  2. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  3. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
PAGE TOP