REVIEW

デッド・ドント・ダイ

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『デッド・ドント・ダイ』ビル・マーレイ/アダム・ドライバー/クロエ・セヴィニー

本作の舞台は何も起こりそうにない穏やかな田舎町。警察に通報されるのは、住民同士の痴話げんかくらいで、のんびりとした空気が流れているのですが、夜になっても明るい、時計やスマホが動かないなどの現象が起き始めます。そして、遂に死者が蘇るのですが、その時の住民達のリアクションがこれまたのんびりしていて、よくあるゾンビ映画の緊張感とは違った空気に笑いがこみあげます。さらにゾンビの特徴もユニークなんです。でも、そうした独特のムードに浸って、小洒落た映画を楽しんでいる気になっているところへ、ズドンとラストにジム・ジャームッシュ監督が伝えんとする深いメッセージが示され、急に緊張感が高まります!で、一つ謎だったのが、映画の中の世界と現実の世界が錯綜するシーンがあること。アダム・ドライバーとビル・マーレイがキャラクターとしてというより、本作に出演する俳優として発言しているシーンがあるのですが、ゾンビが何を象徴しているのかをラストで知ると、映画の世界は他人事ではないと気付くはず。そういったひねりの効いた仕掛けやユーモラスな描写など、さすがジム・ジャームッシュ監督という点と、ビル・マーレイ、アダム・ドライバー、ティルダ・スウィントン、クロエ・セヴィニー、スティーヴ・ブシェミ、ダニー・グローヴァー、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、セレーナ・ゴメス、オースティン・バトラーなど、錚々たるメンバーが出演している点でも映画ファンにはたまらない1作となっています。

デート向き映画判定
映画『デッド・ドント・ダイ』ティルダ・スウィントン

ゾンビといえば頭を狙うのが常識なので(笑)、それゆえに血しぶきが飛んだり、首がすっ飛んだりというシーンが苦手な人もいるでしょう。でも、本作はそういう描写ではないので、心配ご無用。ただ、ゾンビに喰われた人達はそれなりに血みどろなので、そこだけは覚悟してもらわないといけません。というわけで誰でも誘いやすいジャンルではありませんが、ユーモアたっぷりでありながら、とても深いメッセージが含まれているので、映画満足度としては高いのではないかと思います。こういったいろいろな要素を踏まえて、大丈夫そうだったら、本作で映画デートに誘ってみてはどうでしょうか?

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『デッド・ドント・ダイ』セレーナ・ゴメス/オースティン・バトラー

前述したように、現実の世界と映画の中の世界が錯綜するシーンなどは、ちょっと混乱する知れませんが、気楽に観てわかるところだけ楽しむのもアリでしょう。おもしろい特徴を持つゾンビの他にも、個性的でおもしろいキャラクターが出てくるので、キッズやティーンの皆さんでもとっつきやすいと思います。怖いもの好きな人にオススメするのはもちろんのこと、ゾンビ映画は実はとても哲学的だったり、深い内容だったりするので、興味があればトライして欲しいジャンルです。

映画『デッド・ドント・ダイ』

『デッド・ドント・ダイ』
2020年6月5日より全国公開
ロングライド
公式サイト

Credit : Abbot Genser / Focus Features © 2019 Image Eleven Productions, Inc.
© 2019 Image Eleven Productions, Inc. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『終点のあの子』當真あみ/中島セナ 終点のあの子【レビュー】

『伊藤くんA to E』『私にふさわしいホテル』『早乙女カナコの場合は』などの原作者としても知られる柚木麻子のデビュー作「終点のあの子」が映画化…

映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』ローラ・カーマイケル ローラ・カーマイケル【ギャラリー/出演作一覧】

1986年7月16日生まれ。イギリス出身。

映画『MERCY/マーシー AI裁判』クリス・プラット/レベッカ・ファーガソン MERCY/マーシー AI裁判【レビュー】

人間 vs. AIという構図になっているかと思いきや…

映画『ヒグマ!!』鈴木福/円井わん ヒグマ!!【レビュー】

『先生を流産させる会』『ライチ☆光クラブ』『許された子どもたち』等を手がけた内藤瑛亮監督作ということで、社会問題を絡めた作品だろうと予想…

映画『エクストリーム・ジョブ』リュ・スンリョン/イ・ハニ/チン・ソンギュ/イ・ドンフィ/コンミョン(5urprise) エクストリーム・ジョブ【レビュー】

本作の主人公は麻薬班の刑事5人です。彼等の登場シーンからコミカルで、一瞬で…

映画『パンダプラン』ジャッキー・チェン/フーフー パンダプラン【レビュー】

スター並みに大人気の稀少なパンダが、何者かに狙われ、パンダの里親になったばかりのジャッキー・チェン本人がパンダを守る…

映画『喝采』キャシー・ベイツ キャシー・ベイツ【ギャラリー/出演作一覧】

1948年6月28日生まれ。アメリカ、テネシー州メンフィス出身。

映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2【レビュー】

かつて子ども達に人気だったピザレストラン“フレディ・ファズベアーズ・ピザ”で恐ろしい体験をしたマイク(ジョシュ・ハッチャーソン)と妹のアビー(パイパー・ルビオ)、警察官のヴァネッサ(エリザベス・レイル)は、あれから1年半経ち、平穏な日々を取り戻しつつあり…

映画『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』ロムニック・サルメンタ/イライジャ・カンラス アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス【レビュー】

怖い!巧い!物語の舞台はレストランの一席、ほぼ2人の登場人物で展開される会話劇で、ここまでスリリングな作品に仕立て上げるとは…

映画『恋愛裁判』唐田えりか 唐田えりか【ギャラリー/出演作一覧】

1997年9月19日生まれ。千葉県出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  2. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  3. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン

REVIEW

  1. 映画『終点のあの子』當真あみ/中島セナ
  2. 映画『MERCY/マーシー AI裁判』クリス・プラット/レベッカ・ファーガソン
  3. 映画『ヒグマ!!』鈴木福/円井わん
  4. 映画『エクストリーム・ジョブ』リュ・スンリョン/イ・ハニ/チン・ソンギュ/イ・ドンフィ/コンミョン(5urprise)
  5. 映画『パンダプラン』ジャッキー・チェン/フーフー

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
PAGE TOP