REVIEW

ツユクサ【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ツユクサ』小林聡美/松重豊

安倍照雄によるオリジナル脚本を、『愛を乞うひと』『閉鎖病棟—それぞれの朝—』などを手掛けてきた平山秀幸監督が映画化した本作。小林聡美が主演を務め、空から降ってきた隕石にあたったことを機にさまざまな小さな奇跡を体験する五十嵐芙美を演じています。
都会から離れた田舎町で暮らす芙美には、気の合う職場の友人や親友の少年がいて、楽しい日々を送っています。物語は、芙美を中心とした人間ドラマがメインですが、周囲にいる友人達(平岩紙、斎藤汰鷹、江口のりこ)も物語の良いアクセントとなっていて、思わずクスッと笑ってしまう場面があります。個人的には江口のりこが演じた妙子と彼氏のくだりがツボだったので、皆さんもお気に入りのシーンを探してみてください。
また、芙美の過去に迫るシーンや恋愛模様も描かれているので、大人なら彼女の複雑な心境に共感できる部分が見つかるのではないでしょうか。大人になればなるほど自分の気持ちになかなか素直になれなくなってしまいますが、芙美を通して自分の本心と向き合うことの大切さも感じられます。隕石にぶつかるという経験はかなりレアですが、日常の小さな奇跡は誰にでも起こり得ることなので、改めて自分の日常や人生を見つめ直すきっかけになると思います。田舎の雄大な景色や個性的なキャラクター達にも癒やされるので、忙しい毎日に疲れている方には特にオススメの1作です。

デート向き映画判定
映画『ツユクサ』小林聡美

気まずいシーンもなく、ゆったりと観られる作品なのでデートで観るのもアリです。芙美は50歳を目前に人生の転換期を迎えることとなり、その1つとして恋愛要素があります。彼女がある男性と出会い、自然に惹かれていく様子はとてもキュートで、いくつになっても恋愛をすることは素敵だなと感じられます。また、芙美が戸惑いながらも自分の気持ちと向き合う姿からは勇気をもらえるので、恋愛に悩んでいる人の背中を押してくれる効果も期待できそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ツユクサ』小林聡美/平岩紙/江口のりこ

皆さんの場合は、芙美の友人の息子で、キーパーソンでもある航平の目線で観られるでしょう。航平は大人の複雑な関係を子どもなりに観察していて、彼自身もある悩みを抱えています。その詳細は本編をご覧いただくとして、まずは素直に芙美や航平の姿を観て、大人になってからもう一度本作を観ると、また違った感情を得られそうです。

映画『ツユクサ』小林聡美/松重豊/平岩紙/斎藤汰鷹/江口のりこ

『ツユクサ』
2022年4月29日より全国公開
東京テアトル
公式サイト

©2022「ツユクサ」製作委員会

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン 罪人たち【レビュー】

ライアン・クーグラー監督と、マイケル・B・ジョーダンの名コンビが贈る本作は、まず設定がとても…

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム おばあちゃんと僕の約束【レビュー】

『バッド・ジーニアス危険な天才たち』など数々の話題作を放ち、タイで勢いのあるスタジオとして注目を浴びるGDHが手がけた本作は…

映画『異端者の家』ソフィー・サッチャー ソフィー・サッチャー【ギャラリー/出演作一覧】

2000年10月18日生まれ。アメリカ、シカゴ出身。

映画『リライト』池田エライザ リライト【レビュー】

法条遥による同名小説を映画化した本作は、松居大悟監督とヨーロッパ企画の代表である上田誠が初タッグを組んだ作品です。“時間もの”作品で…

映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット 親友らしい態度とは?『親友かよ』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は『親友かよ』を取り上げ、親友らしい態度とは何かを考えます。

映画『サブスタンス』マーガレット・クアリー マーガレット・クアリー【ギャラリー/出演作一覧】

1994年10月23日生まれ。アメリカ出身。

映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李 フロントライン【レビュー】

2020年1月20日に横浜港を出港した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号では、その後、香港で下船した乗客が新型コロナウイルス感染症に罹患していることがわかり…

映画『プレデター:最凶頂上決戦』 プレデター:最凶頂上決戦【レビュー】

アニメーションとはいえ、さすが“プレデター”シリーズとあって、描写が激しく…

映画『女神降臨 Before 高校デビュー編』綱啓永 綱啓永【ギャラリー/出演作一覧】

1998年12月24日生まれ。千葉県出身。

映画『ラ・コシーナ/厨房』ラウル・ブリオネス/ルーニー・マーラ ラ・コシーナ/厨房【レビュー】

イギリスの劇作家アーノルド・ウェスカーが書いた1959年初演の戯曲“調理場”を映画化した本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット
  2. 映画『年少日記』
  3. 映画『か「」く「」し「」ご「」と「』奥平大兼/出口夏希/佐野晶哉(Aぇ! group)/菊池日菜子/早瀬憩

REVIEW

  1. 映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン
  2. 映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム
  3. 映画『リライト』池田エライザ
  4. 映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李
  5. 映画『プレデター:最凶頂上決戦』

PRESENT

  1. 映画『ババンババンバンバンパイア』吉沢亮/板垣李光人
  2. 映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(M)
  3. 中国ドラマ『墨雨雲間〜美しき復讐〜』オリジナルQUOカード
PAGE TOP