取材&インタビュー

エルヴィスの魂を見つけることがとても大事だった『エルヴィス』オースティン・バトラー&バズ・ラーマン監督来日

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー、バズ・ラーマン監督

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー、バズ・ラーマン監督/玉城ティナ(ゲスト)

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー、バズ・ラーマン監督

日本での劇場公開を目前に控え、主演のオースティン・バトラーと、バズ・ラーマン監督が来日しました。2人ともキラキラして眩しかったですが、思わずバズ・ラーマン監督の胸板に目がいきました(笑)。オースティン・バトラーの笑顔にもドキュン、ドキュンときちゃいました。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:バズ・ラーマン監督

バズ・ラーマン監督は「今回本作を作るにあたり、今までに経験したことがないような体験をしました。まずはエルヴィスのことを調べて、グレイスランド(エルヴィスが住んでいた邸宅を含む敷地全体のこと)にも住んで、ずっとそこで暮らしました。そこへコロナのパンデミックが起こり、もしかしたらこの映画は作れないかもしれないとさえ思ったんです。でもコロナには負けませんでした。トム・ハンクスもコロナにかかってしまいましたが戻ってきました。それでこの映画を一生懸命作り続けて、最近カンヌ映画祭、ロンドンにも行きました。グレイスランドでは、プリシラ・プレスリー(エルヴィスの妻)が初めてこの映画を観てくださったんです。私達はプリシラがこの映画をどう思うのか不安に思っていたのですが、彼女はこの映画をとても認めてくださいました。そして、この前の週末、この作品はアメリカでナンバーワンになったんです。あと、エルヴィスは生涯ずっと日本に来たがっていたんです。でも来日は叶いませんでした。日本人にとても愛されていたエルヴィスの夢は、日本に来てパフォーマンスをすることだったんですけど、罠にかかったというか、いろいろあって来られなかったんです。その謎を知りたければ映画を観てください。そこで明らかになります。ぜひとも皆さん、特に若い方々、エルヴィスと共にスピリチュアルな旅に出ていただきたい。きっとこの辛い時期に喜びを感じていただけると思います。アリガトウゴザイマス」と制作までの苦労を振り返り、本作の見どころを語りました。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー

主演のオースティン・バトラーは、「皆さん、今日は本当にありがとうございます。来日は初めてでとても暖かい歓迎を受けて、ありがとうという言葉を何回言ったことか。さっきバズが言った通り、日本に来ることはエルヴィスの夢でした。それが叶わなかったのは1番の悲劇の一つかもしれません。でも、こうやってエルヴィスの夢を僕が叶えることができました。そして、彼の素晴らしい物語を今いらっしゃる皆さんと分かち合えることは本当に本当にすごいことだと思います。そういうことも含めて、日本が僕らのプロモーションの最後の場所だということを誇らしく思っています。あとは今夜カラオケに行くのをとても楽しみにしています」と来日への思いを語りました。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー、バズ・ラーマン監督

カラオケの話題が出た時には、バズ・ラーマン監督がオースティンを「カラオケキング!」と称していましたが、カラオケではどんな歌を歌うのか気になりますね(笑)。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー、バズ・ラーマン監督

そして、本作は先週末からアメリカを含めて52ヵ国で劇場公開が始まり、5121万ドルの大ヒット、全米ナンバーワン大ヒットを記録しています。そのことについてラーマン監督は「ナンバーワンになったことは素晴らしいことなんですけど、いろいろな映画が公開されていて、皆さんが劇場に戻ってきていることが1番嬉しいんです。僕もスマートフォンで配信の映画を観たりします。今回ステイホームということで皆さんも家にいたと思いますけれど、そろそろ皆で外に出て暗い映画館の中で、全然知らない人達と一緒になって大きなストーリーを大きなスクリーンで観ていただきたい。皆が一堂に会して一緒に泣いたり笑ったりする、これはとても大事なことです。私達はナンバーワンを獲りましたけれど、他にもトム・クルーズの映画、ホラー映画、恐竜が出てくる映画もありました。この作品で、本当に貧しい少年が黒人音楽をやって、世界を変えるというストーリーもありました。ですからぜひ映画館に行っていただき、日本の方々も『エルヴィス』を観て、キング・オブ・シネマにしていただきたいと思います。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー、バズ・ラーマン監督/玉城ティナ(ゲスト)

さらに玉城ティナから監督へ「ライブシーンを観てとても興奮しました。ライブシーンの演出で何かこだわった点はありますか?」と質問が出ました。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:玉城ティナ(ゲスト)

ラーマン監督は「今回のすごくユニークな体験は、こちらの青年(オースティン・バトラー)にお会いした時から、彼が週7日、1日24時間ずっと働きづめだったことです。ライブシーンでオースティンはカット割りせずに、全部のパフォーマンスをしたんです。30年間一緒に仕事をしているスタッフがいるんですけど、もう仕事を忘れて私の所にきて、“ボス、僕はスター・ウォーズ、スーパーマン、マトリックスとずっと仕事をしてきたけど、こんな体験をしたのは初めてだ”と言ったんです。つまり僕は何も演出をせず、彼に任せたということです。スタッフにカメラを回しておけと言ったくらいです」と撮影秘話を披露しました。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:バズ・ラーマン監督

ライブシーンはとても臨場感があり釘付けになりますが、このお話を聞いた上で再度観るとまた違った感動も味わえそうですね。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー

続いて玉城は、オースティンに対して、「エルヴィスの内面の繊細さが私の胸に届いたのですが、オースティンさんが思うエルヴィスの1番の魅力を教えてください」と質問。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー

オースティンは「エルヴィスに対してイメージを持っている方が多いと思うんですね。でも僕にとってのエルヴィスの尽きない魅惑、惹かれる部分は、人間エルヴィスなんです。彼はバズが言っていた通り、とても貧しい、何も持たない家庭の出身です。生まれた時は双子でしたが兄弟を失って、つまり生涯ずっと心に穴が空いていた。仲が良かった母も若かりし頃に亡くなってしまって、それが彼に影響するんです。だから僕にとっては、そういったさまざまな意味での彼の魂を見つけることがとても大事でした。今回本当にエルヴィスについてたくさんのことを学ぶことができました。ステージでああいうパフォーマンスをする、エルヴィスたらしめるものは何なのか、何が彼を駆り立てるのかということを学んできました。彼は笑い声がとても素敵なんです。ユーモアのセンスも素晴らしく、心が広く、とてもスピリチュアルで、いろいろなことを深く考える方でもありました。本当に知れば知るほど大好きになっていきましたし、それらすべてのことがあるからこそステージに立った時の彼はあそこまで活き活きしていたのだと思います。そして、愛に溢れていて、ファンに対する愛もあった。だからこそ、ああやってファンとやりとりをすることができたのだと思います。本当に心からエルヴィスのことが大好きです」とエルヴィス愛を熱弁しました。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー

劇中では本当にエルヴィスが乗りうつったかのような演技を見せているオースティン。彼が言うとおり、本作を観てエルヴィスを知れば、エルヴィスが大好きになると思います。バズ・ラーマン監督だからこそ作り出せる悲しげで美しい映像も見応え抜群です。本作は映画館で没入して観ないともったいない!エルヴィスのパフォーマンスと、彼が生きた知られざる人生のドラマをお見逃しなく。

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー、バズ・ラーマン監督/玉城ティナ(ゲスト)
映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:オースティン・バトラー、バズ・ラーマン監督/玉城ティナ(ゲスト)

映画『エルヴィス』来日記念ワールドツアーフィナーレイベント:
2022年6月28日取材 PHOTO&TEXT by Myson

『エルヴィス』
2022年7月1日より全国公開
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ひゃくえむ。』 ひゃくえむ。【レビュー】

魚豊著の『チ。 ―地球の運動について―』がすごく好きなので、絶対に本作も…

映画『お嬢と番犬くん』櫻井海音 櫻井海音【ギャラリー/出演作一覧】

2001年4月13日生まれ。東京都出身。

映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝【レビュー】

実に楽しい!良い意味で「なんじゃこりゃ?」というハチャメチャなノリなのに…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ セレステ・ダッラ・ポルタ【ギャラリー/出演作一覧】

1997年12月24日生まれ。イタリア出身。

映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ ブロークン 復讐者の夜【レビュー】

『工作 黒金星と呼ばれた男』『アシュラ』などを手掛けたサナイピクチャーズが贈る本作は…

映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』西島秀俊/グイ・ルンメイ Dear Stranger/ディア・ストレンジャー【レビュー】

真利子哲也監督(脚本も担当)による西島秀俊主演作という情報のみで、毎度ながら前情報をほぼ入れずに観て、いろいろ良い驚きが…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『ひゃくえむ。』
  2. 映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド
  3. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  4. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流
  5. 映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP