特集

映画で“食”について考えてみよう11:家庭でできるエコの取り組み

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『TOMORROW パーマネントライフを探して』メラニー・ロラン

前回は、私達の食が環境にどのような負荷を与えているのかをご紹介しましたが、今回は代替エネルギーや、私達が心掛けたいエコの取り組みについてご紹介します。

地球に優しいバイオ燃料

地球温暖化や原油価格の高騰が問題視されるなか、新しい燃料として“バイオ燃料”(=とうもろこしやサトウキビを原料とした燃料)が注目されています。バイオ燃料には下記のメリットとデメリットが挙げられます。

<メリット>
■原料となる植物を栽培し続ければ枯渇の心配がない。
■原料である植物が二酸化炭素を吸収するため、燃焼時に排出される温室効果ガスは排出したとみなされない。

<デメリット>
■原料作物の需要増加により、今まで小麦や大豆などを栽培していた農家が、より高く買ってもらえるバイオ燃料用の作物生産に転作してしまう。
■上記により、小麦や大豆の価格が高騰。また、それらを使用する食品も高騰する。
■飼料用穀物も不足することから、肉や乳製品の値上げにも繋がる。

環境にとっては良いバイオ燃料ですが、上記のようにそれ以外の部分にしわ寄せが来てしまうことがわかります。バイオ燃料が上手く活用されるよう、今後の日本や海外での動向にも注目です。

映画『TOMORROW パーマネントライフを探して』

私達ができる身近なエコ活動

こちらでは私達が身近にできるエコ活動の一部をご紹介します。
※以前「映画で“食”について考えてみよう3:まめに冷蔵庫内をチェックして食品ロス削減に貢献」で、食品ロスについても紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。

■食料生産から消費までには多くのエネルギーが使用される。
→なるべく旬の食材を食べ、生産地が近いものを食べるようにする。
■水分を多く含む生ゴミは、燃焼時に炉内の温度を下げるため、ダイオキシンが発生しやすくなる。
→生ゴミは十分に水分を切ってから出すようにする。
■使い捨て容器や過剰包装の包装紙、レジ袋などが大量のゴミとして捨てられている。
→マイバッグ、マイ箸、マイカップなどを利用する。
■洗い物や洗面時に水をついつい流しっぱなしにしてしまう(水道の蛇口からは1分間に約12リットルの水が流れ出している)。
→こまめに止めるようにすることで、水の無駄遣いを防げる上、水道料の節約にも繋がる。
■エアコン、テレビなど、リモコンで付く家電には、いつでも反応できるよう待機機能が付いている。このため、常に1〜3ワットの待機電力を消費している。
→長く使わない時は主電源を切るか、プラグをコンセントから抜いておく。

映画『TOMORROW パーマネントライフを探して』

最近はレジ袋が有料化となり、飲食店のストローが紙になったりと、皆さんの身近でもエコに対する社会的な変化を感じることも多いのではないでしょうか。まだまだ課題の多いテーマではありますが、上記のように地道なエコ活動を一人ひとりが続けることでも大きな力になっていくと思います。まずはぜひできることから始めてみてください!

<参考・引用資料>
三ッ井清貴「服部幸應の食育インストラクター養成講座 テキスト5」(がくぶん)
本内容は、上記で語られている内容を一部引用しまとめたものです。

食にまつわる映画をチェック!

TOMORROW パーマネントライフを探して(字幕版)

『TOMORROW パーマネントライフを探して』
DVDレンタル・発売中/デジタル配信中
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

2012年に権威ある学術雑誌” ネイチャー”で、21人の科学者達により、今のライフスタイルを続ければ人類は滅亡するという論文が発表された事実を知った、女優メラニー・ロランと、活動家でジャーナリストのシリル・ディオン。そんな2人が、農業、エネルギー、経済、民主主義、教育の分野で新たな取り組みや暮らしをしている世界中のパイオニア達にインタビューしていくドキュメンタリー。

★食の注目POINT!!
新たな取り組みや暮らしを実践している人々の生活には、今までの常識を覆すような発見が多くあり、ご自身の生活を振り返るきっかけにもなりそうです。また、野菜を育てるにはエネルギーを要するなど、自然環境の循環の大切さにも気づかされます。

地球が壊れる前に (字幕版)

『地球が壊れる前に』
デジタル配信中

レオナルド・ディカプリオと、フィッシャー・スティーヴンス監督がタッグを組んだドキュメンタリー。気候変動によって世界で起きているさまざまな変化を見つめ、その真相に迫っていく。

★食の注目POINT!!
レオナルド・ディカプリオ自身が世界各国を周り、気候変動の真相に迫っていくので、どんな人でも親しみやすいと思います。また、私達の生活に欠かせない食用肉や油などにまつわる衝撃的な事実も知ることになります。今地球でどんな問題が起きていて、それが人間の生活とどう関わっているのかを知るのに最適な作品です。

© 2018 FarmLore Films,LLC

TEXT by Shamy(NPO日本食育インストラクターPrimary)

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

映画『金髪』白鳥玉季さんインタビュー 『金髪』白鳥玉季さんインタビュー

今回は『金髪』で生徒の板緑役を演じた白鳥玉季さんにインタビューさせていただきました。“金髪デモ”を起こすキーパーソンである板緑を演じた感想や、撮影裏でのエピソードを直撃しました。

映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉 TOKYOタクシー【レビュー】

クリスチャン・カリオン監督『パリタクシー』を原作とした本作は、東京にある柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設までの道のりを舞台に、山田洋次監督が映画化…

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『果てしなきスカーレット』
  2. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  3. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉
  4. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  5. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP