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『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』宮野真守さん、鈴村健一さんインタビュー

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映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』宮野真守さん、鈴村健一さんインタビュー

田中芳樹によるSF小説「銀河英雄伝説」は、1982年の発刊から累計1500万部を超えるベストセラーとなり、本伝10巻、外伝5巻の大長篇小説として構成されています。その原作を映像化するにあたり、声の出演を務める宮野真守さん、鈴村健一さんも当初から何年かかるのか、すべて描ききるのに最低10年かかるのではないかとお話しされていたそうです。その中で既に4年間続いてきた本作について、お2人からみたキャラクターの魅力や、声と心の関係などお伺いしました。

<PROFILE>
宮野真守(みやの まもる):ラインハルト・フォン・ローエングラム 役
1983年6月8日埼玉県生まれ。声優、俳優、歌手としてさまざまな分野で活躍中。2001年に海外ドラマ『私はケイトリン』の吹き替えで声優デビューして以降、『DEATH NOTE』の夜神月役や『機動戦士ガンダム00』の刹那・F・セイエイ役などで注目を集め、近年では映画“ファンタスティック・ビースト”シリーズ(ニュート・スキャマンダー役)など、アニメ、実写を問わず多くの話題作で吹き替えを担当している。俳優としては、劇団☆新感線“髑髏城の七人〜Season月《下弦の月》”で主演を飾った他、ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season1で主役トニーを演じた。2008年には“Discovery”で歌手デビュー。2009年から精力的に行なっているライブでは、ダンスなどを取り入れたエンタテインメント性の高いパフォーマンスが好評を得ており、日本武道館やさいたまスーパーアリーナで行っている単独公演では大きな成功を収めている。

鈴村健一(すずむら けんいち):ヤン・ウェンリー 役
9月12日生まれ。声優、歌手として幅広く活躍中。近年の主なアニメ出演作に、『銀魂』沖田総悟役、『Free!』シリーズの御子柴百太郎役、『おそ松さん』イヤミ役、『鬼滅の刃』伊黒小芭内役、『炎炎ノ消防隊』武久火縄役、『SSSS.DYNAZENON』ナイト役、『バクテン!!』陸奥洋二郎役、『ゴジラS.P<シンギュラポイント>』海建宏役、『MARS RED』スワ役などがある。また、吹き替えや特撮作品、ゲームでも声優として活躍しており、舞台“AD-LIVE(アドリブ)”では総合プロデューサーを務める。アーティストとしてはこれまでに14枚のシングルとベストアルバム、4枚のアルバム、3枚のミニアルバムを発売している。


※前半は合同インタビュー、後半は独占インタビューです。

お互いのキャラクター、ここがスゴい!

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』宮野真守さんインタビュー

マイソン:
原作が発刊されてから長く愛されている作品ですが、お2人が感じるこの作品の1番の魅力は何でしょうか?

宮野真守さん:
改めて「激突」第一章を観せていただいたのですが、圧倒的にお話がおもしろいし、人間関係がおもしろい。僕ら当事者でありながらもその物語に引き込まれるというのは、やっぱりそこがあるからだなと思いました。何よりこの壮大な世界観を作り上げることって並大抵のことではないと思うんです。「激突」で描かれるのは10巻ある小説の3巻目なので…(笑)。

一同:
ハハハハハ!

鈴村健一さん:
まだそんなか(笑)!

宮野真守さん:
すごいことだなって本当に思います。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』鈴村健一さんインタビュー

鈴村健一さん:
すごく壮大な物語で、SFという点でも魅力ではあるんですけど、何か普遍性があるというか、今シーズンではそれが特に浮き彫りになるんです。自由惑星同盟軍の国の中のゴタゴタは、僕らの暮らしにも結構リンクしているというか、僕らの世界にも共感できるような事象が多くて、その辺りが魅力なのだと思います。あらゆるエンタテインメントで、共感性、共感力というものがすごく大事だと思うんですけど、“ノイエ銀英伝”を観た後に今の社会とちょっと似ているなとか、80年代に書かれている原作はまるで預言書みたいだなと思ってドキッとしたりするところも1つの魅力かなと思います。

記者A:
4年間という長い期間演じるキャラクターってなかなか少ないと思うのですが、演じ始めた時と比べて、自分のキャラクターへの想いで変わってきたこと、変わっていないことはありますか?

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』

宮野真守さん:
演じる前は“銀河英雄伝説”のラインハルト・フォン・ローエングラムの絶対的な存在感、オーラをある意味客観的に感じていましたが、演じる当事者になってくると彼の人間的な部分のほうがどんどん感じられるようになってくるので、彼が1人の人間として何を決断していくのかというほうに注視できているなと思います。自分が演じることになって、ラインハルトの人間らしさがどんどんわかってくるんだなと不思議な感覚です。役者ってそういう不思議な感覚になれることがおもしろいなと思って、客観的じゃなくなるというのがすごくおもしろいし幸せだと思います。

宮野真守さん:
ヤンは本当に難しいと思う。

鈴村健一さん:
長年同じキャラクターを演じていると馴染むことってよくあるんですけど、理解が深まれば深まるほどヤン・ウェンリーって難しいなと思っています。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』

鈴村健一さん:
ラインハルトは今言っていたようにちょっと人間臭さが見えてきたり、幅が出てくるんですけど、ヤンはもう完成している人のイメージで、成長するというよりも「ヤンならどうする?」っていう選択を迫られるお芝居が多いんです。でもヤンを丸ごと理解しておかないといけないみたいなことがあるわりに、ドラマが進んでいくと「ヤンはこんなことを言うんだ」「こんなことを思うんだ」ということに対応しないといけないのでなかなか手強いんです。馴染むというところを自分で一生懸命やりながらも、やればやるほど深淵に近づくというか、難しくなってくる役だなというのはここ最近感じています。

記者B:
“ノイエ銀英伝”は本当に魅力的なキャラクターが多いですが、お2人が個人的に推したいキャラクターがいたら教えてください。

宮野真守さん:
そんな風に考えたことないからな…(笑)。

鈴村健一さん:
確かに(笑)。ちょっとミーハーな目線でなかなか観づらいと言いつつ…、僕が個人的に好きなのはヒルダですね。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』

宮野真守さん:
何だと(笑)!?

鈴村健一さん:
うちの陣営(自由惑星同盟)じゃないのよ(笑)。ここは違う人を言わないといけない気もするんですけど、ラインハルトが変わっていくきっかけみたいなものをすごく感じていて。今回のシーズンで、ラインハルトはいつもガチッとしなきゃとか、誰にも弱みを見せないぞって言っていたところでキルヒアイスがいなくなってしまって、キルヒアイスだけに見せていたガス抜きみたいなものがなくなったところにヒルダが出てきた感じで、観ていてすごく可愛いんですよね。ラインハルトが、「君と話すのは楽しい」って言っちゃう感じとか、この人可愛いなって思うんですよ。本当にミーハーな目線だけで観ると結構そこが好きで、この後のラインハルトの展開としては、ちょっとデレていくじゃないですか(笑)。その布石が今回のシーズンにはあるので、可愛い2人だと思って僕は観ていますね。って、自分の陣営のキャラクターを言えって感じですよね。フレデリカの話をすれば良かったなって今思いました(笑)。

宮野真守さん:
フレデリカはすごいイイ女じゃないですか!

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』

一同:
ハハハハハ!

鈴村健一さん:
そうなんですよ。フレデリカは本当にイイ女です。

宮野真守さん:
あんなに頑張ってくれる人はいないですよ、提督!

鈴村健一さん:
そうでしょ。僕はヒルダもフレデリカも2人共大好きです。女性キャラが少ないなか、メインの女性キャラは2人共本当にすごく可愛くて、こんな人に出会いたいなって思う人がいっぱいいるんじゃないかって思うくらい、素敵な2人だと感じております。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』鈴村健一さんインタビュー

宮野真守さん:
ヤンとフレデリカはだいぶわかり合っていて、お互いしてあげられることが見つけられるけど、ヒルダはまだ困っているんですよね。ラインハルトはまだずっと“赤毛”を握っているから(笑)。

一同:
ハハハハハ!

鈴村健一さん:
何かあると“赤毛”を見るからね。

宮野真守さん:
キルヒアイスがいなくなってラインハルトは頼る相手がいないから、そこをヒルダがどうにかしてあげようと思う、わかってあげたいと思っている姿が印象的だなと思いました。あ、じゃあ僕はそれでいうとメルカッツが気になります。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』宮野真守さんインタビュー

鈴村健一さん:
メルカッツは良いね。

宮野真守さん:
ヤバいですね。

鈴村健一さん:
カッコ良いよね。

宮野真守さん:
カッコ良いし、割り切っている感じが怖い。

鈴村健一さん:
そうだね。自分の価値観で生きている感じがすごいよね。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』

宮野真守さん:
ずっと帝国の軍服を着ているじゃないですか。今作の第三章でメルカッツとキャゼルヌが握手するシーンがあるのですが、ある意味希望も垣間見えるんですよね。帝国と同盟が握手しているように見えて。あのシーンはいろいろな解釈ができて、物語がどんどん単純なものではなくなっていくじゃないですか。そこが今作でメルカッツの存在がおもしろいと思うところです。

マイソン:
お互いのキャラクターについて、「ここが魅力的」「ここにジェラシーを感じる」と思うポイントがあったら教えてください。

宮野真守さん:
2人の精神性が全く違いますよね、何だかんだでラインハルトは若気があるというか。当初の目的も大切な人を守るためイコール、星を支配することに繋がると思っているからこそ、宇宙を手に入れるということに向かって行くんですけど、それってある意味1番大きな私情じゃないですか。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』宮野真守さんインタビュー

鈴村健一さん:
そうだね。その1つだけで世界を変えようとするってすごいよね。

宮野真守さん:
でも世界を変えようとした先に、別に世界を悪くしようとも、自分が独裁でいいようにやろうっていうのもなく、目的は支配するというか手に入れることなんですよね。自分が虐げられたような世の中ではない新たな世界を作るというのはある意味立派な志だし、その中で自分の国においては制度も整えていって、今までの体制とは違うものを作るというのも立派なんですけど、根本が私情なのでそこが対比としてもおもしろいなと思います。でも、ヤンはいろいろな気持ちを持ちながらも達観できる部分があって、ヤンの目的はやはり1番得体が知れなくて、ヤンという存在にすごく興味がわきます。ヤンは自分の周りを守るために、今ある間違いを正すためにということには向かうけど、すごく大きく見た時に戦いの歴史が繰り返されているところも見てきているから、その先の先まで見えちゃっている感じとかがたまに恐ろしくなる時がありますね。

鈴村健一さん:
僕は“銀英伝”の原作を読んで、石黒版のアニメも観て、最初はヤンに心を奪われたんです。でも後半になるとすごくラインハルトに興味がわいてくるんですよね。それはさっき宮野くんも言っていましたけど、ラインハルトに人間臭くなってくる部分があるからなんです。ヤンって達観している部分があって、それもある意味超人で、歴史を学んでいて「こういうことがあるだろうから無理だと思う。ただ、ここ数十年の戦争を止めるくらいなら、僕にできるかもしれない。だから僕はそれだけやる」という精神性なんですよね。それってとんでもないリアリストなんだと思います。
それに対してラインハルトはロマンチストで、でもヤンと同じことを思っているんですよね。要はお姉さんのことがあって、貴族達の制度自体を憎んでいると思うんです。それを変えようと思ったら社会を変えないといけない、それならまず戦争をやめないといけない、その上で統一した価値観でもっと平和にしたら完璧かなということをラインハルトは思ったわけですよね。そう思う人って世の中にいっぱいいると思うんです。「戦争はやめるべきだ」とか、「あそこと仲良くなるべきだ」とか、何だったらもう皆同じ価値観でということを考えるまではできますが、「いや、無理じゃない?」って思うのが普通なんですよ。だけど、ラインハルトは「いや、俺がやる!」って(笑)。凄まじいロマンチストですよ。それで本当にやるじゃないですか。それが本当にカッコ良く見えてくるんですよね。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』鈴村健一さんインタビュー

中盤以降ラインハルトは本気だというのがわかって、着々と動いていって、その真意はキルヒアイス以外の誰にも見せず、「この人はすごいことをやろうとしてる」って仲間が集まってくる感じ。あの感じってめちゃくちゃカッコ良いんですよね。だから結構ヒロイックで超人的なんだと思うと、ラインハルトはここからもっとカッコ良くなるし、さっきもちょっと言ってしまったんですけど、めっちゃ可愛くなるんですよね(笑)。ヤンのほうが表情豊かな感じがするんですけど、ラインハルトってその側面が見えた瞬間に幅がより見えてくるので、そこが見事だなと。あの冷徹っぽい人が「あら、こんな感じなの?」っていうのが4年かけてやっと見えてくるって、すごくないですか(笑)。そこは魅力だなと思うし、キャラクターが生きているんだなって思います。固定化した定型のキャラクターではなく、進化しているというか、何か側面が見えてくるというのはちゃんと前に進んでいるからこそ見えてくるんだろうなという感じがして、そこがラインハルトは象徴的かなと思います。

声優の仕事に必要な素質は“好奇心”

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』

マイソン:
長らく同じ役をやると、ご自身は年を重ねても役は年を取らないということがあると思うのですが、声を老化させないコツってあるのでしょうか?

宮野真守さん:
知らないです(笑)。

一同:
ハハハハハ!

鈴村健一さん:
いくらでも話せるけど、一般の方がやるには修羅の道とだけ言いましょうか(笑)。本当に体のコントロールとかそういう話になっちゃうんです。ボイスコントロールで枯れない声を作るのは物理的には可能で、枯れないようにコントロールしていく学問というのがあるんですけど、ここで説明するとそれだけで埋まっちゃうので…(笑)。

宮野真守さん:
社長お願いしますよ(笑)。鈴村メソッドを。

鈴村健一さん:
ハハハハ(笑)。僕らの声ってどこから出ているかが結構重要で、どこに音を当てているのかということって、宮野くんとか僕ってもうナチュラルに狙ってやれるんですよね。そういうテクニック的なことはトレーニングしていけばできるので、逆に言うと僕は喉のケアとかは全くしていないです。コントロールのほうにだけ意識を集中していますね。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』宮野真守さんインタビュー

宮野真守さん:
あとは気持ちです(笑)!

鈴村健一さん:
気持ちだよね。本当そう思う!

宮野真守さん:
ズーンって老け込むと声も老け込んでしまうから、アクティブでいようと。

鈴村健一さん:
本当そうだよね。例えば失語症みたいなものって何かというと、発声障害というメンタルの話で、声帯の話じゃないケースもあるんです。気持ちに連動していて、いろいろな感覚の中で喋るというのもものすごく紐付きやすいので、宮野くんの言う通りですよ。スキップしているほうが声は若くなると思います(笑)。

宮野真守さん:
本当にそう思う!気持ちですよね(笑)。

鈴村健一さん:
あと僕が最近コツとは?と聞かれると言うようにしているのは好奇心。

宮野真守さん:
ほら、気持ち!

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』鈴村健一さんインタビュー

鈴村健一さん:
だから本当に気持ちなんです。これ何だろうとか、これ好きとか何でも首を突っ込む感じって、役者をやる上ですごく大事で、そうでないと面倒くさい仕事なんですよ。「この役は何だろう」と考えることとか、「この役がこういう役職だから調べてみよう」とか、「この人が食べているこの美味しそうな食べ物は何だろう」とか何でも好奇心で解決できるというか。若い人の中には好奇心が少ない人が実は多くて、「声優になりたいんです。台本があればできるんでしょ」って思っている人が多いんですけど、台本ってただの設計図なんですよね。それにどう好奇心を持って挑むか、それがおもしろいと思えるかというのが実はめちゃくちゃ重要な素質な気がして、まさに宮野くんが言うように気持ちなんですよね。

宮野真守さん:
僕も最近聞かれると同じことを答えます。でも最初に「僕の生き方は参考になりませんよ」って言います(笑)。

鈴村健一さん:
ハハハハハ!本当そこって難しいよね。

宮野真守さん:
好きだと思ったものを追求した結果がこうなっているだけなので。

鈴村健一さん:
宮野くんはまさにそれを体現してきたもんね。全部やるって決めて。

宮野真守さん:
そう、やってみる。

鈴村健一さん:
だから宮野くんみたいになりたいんだとしたら、好奇心があるかどうかを判定したほうが良いと思う、本当に。そうじゃないと正直大変な仕事ではあるから。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』

宮野真守さん:
それを好きと思えないと。

鈴村健一さん:
歌ったり踊ったりができるって、歌や踊りに興味がないとただの地獄ですからね。

宮野真守さん:
ハハハハハ!本当地獄ですよね(笑)。

鈴村健一さん:
宮野くんとライブをやったりすると、本当に楽しそうに踊るんですよ。暇があれば身体が動いていて、それもダンスの確認とかそういうことではなくて楽しそうにやっているんですよね。このほうがおもしろそうみたいな。あの好奇心ってこれからの若い人達に見せてあげたいというか、学生のうちに声優になりたい、早く養成所に行ったほうが良いと言うくらいだったら、何でも見聞きしたほうが良いし、何でもやったりするほうが絶対にプラスになると思います。

宮野真守さん:
すごくいい話!

マイソン:
ありがとうございます!では最後の質問で、いち観客として大きな影響を受けた作品、もしくは人物がいらっしゃったら教えてください。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』宮野真守さんインタビュー
ヘアメイク:Chica
スタイリスト:横田勝広 YKP

宮野真守さん:
何だろう…。志村けんさんです!僕が小学生の時に憧れたテレビの世界に原点があって、本当に影響を受けました。テレビっ子だったので、テレビで行われていることが楽しすぎて食い入るように観ていて、当時は劇団にはもう入っていましたけど、夢を見ている感じでした。テレビで観ていた志村さんの立ち振る舞いにすごく刺激を受けていたなと思うと、今楽しいことをやりたいと思うのってそこが原点になっているのかなと思います。

鈴村健一さん:
原点って何だってことは難しくて、僕はタイミングで変わるんですけどね。この業界に入ってからいろいろな意味で影響を受けたという人で言うと、同じ世代で森久保祥太郎はおもしろいなと思いました。声優業界には僕のほうが先に入っているんですけど、いつも僕の先を行っていて、彼はポンと入ってきてドンとブレイクしたんですよね。現場も一緒になることがあって飲みに行ったりしたんですけど、彼はどんどん売れていくし、どんどんいろいろなことをやっていくんです。今でこそテレビに出たり、歌を歌ったりしますけど、彼はその時からバンドをやって音楽もやって、テレビにも映画にも出ていました。僕はその頃本当に貧乏で、森久保祥太郎がどんどん売れていくのを見ながら、「いつか見てろよ」みたいな悔しい気持ちももちろんあったんですけど、すごくモチベーションになっていたんですよ。どんどん声優業界が進化して、その最中に今の声優ブームの足掛かりを作った宮野くんとも出会って、森久保祥太郎はちゃんと橋を渡してくれた1人で、僕らの世代でそういう人がいるのって僕は嬉しくて、今も影響を受けています。今も自分で手掛けた作品に出てもらったり、彼と一緒に何かを作るというのは続けていて、そういう意味では僕が影響を受けたのは森久保祥太郎ですごく大きい人ですね。

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』鈴村健一さんインタビュー
ヘアメイク:大橋美沙子
スタイリスト:村田友哉

宮野真守さん:
志村けんさんと森久保祥太郎さんですね。

鈴村健一さん:
どっちもモノマネされやすい(笑)。

一同:
ハハハハハ!

鈴村健一さん:
モノマネされやすい人は英雄なのかもしれないって最近思います。

宮野真守さん:
共通点ありましたね(笑)!

マイソン:
真似したくなるってことですよね。

鈴村健一さん:
真似したくなる人(笑)。

マイソン:
本日は貴重なお話をありがとうございました!

2022年1月19日取材 PHOTO&TEXT by Myson

映画『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』

『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』
第一章2022年3月4日/第二章2022年4月1 日/第三章2022年5月13日より各章3週限定上映
原作:田中芳樹(東京創元社刊)
監督:多⽥俊介
声の出演:宮野真守/鈴村健⼀/梅原裕一郎/梶裕貴/諏訪部順一/小野大輔/中村悠⼀/川島得愛/遠藤綾/三⽊眞⼀郎/坂本真綾/花澤香菜/鈴⽊達央/⽯川界⼈/下⼭吉光
配給:松竹

<第一章>
帝国暦489年(宇宙暦798年)1月、自由惑星同盟軍イゼルローン駐留艦隊分艦隊と、銀河帝国軍の遭遇戦が勃発。ヤンの被保護者ユリアンは新兵の一人として初陣に臨むこととなる。一方、銀河帝国内では、最高権力者となったラインハルトによる改革が進んでいた。ラインハルト麾下の「双璧」と呼ばれるミッターマイヤーとロイエンタールは、束の間の穏やかな時間の中、共にラインハルトへの忠誠を誓った日のことを思い返す。

公式サイト

© 田中芳樹/銀河英雄伝説 Die Neue These  製作委員会

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