キャリア・仕事

あなただけのキャリア2-2:「好きな仕事をする」の意味を考える<2>

  • follow us in feedly
  • RSS
仕事探しのイメージ(JOBロゴ)写真AC

前回に引き続き「好きな仕事をする」の意味を考えてみます。人それぞれの考え方があり、正解・不正解はないと思うので、ここで書くことはあくまで、私の考えに基づくものとして読んで頂ければと思います。

ではまず、新規大卒者の離職率を見てみましょう。厚生労働省資料によると、2016年(3年目までの離職率が出ている年を選んでいます)の新卒者の離職率は、1年目までで辞めた人=11.3%、2年目までで辞めた人=21.9%、3年目までで辞めた人=32.0%となっています。企業の規模によって割合が若干変わりますが、3年目までで3人に1人は辞めてしまうんですね。背景はさまざまなので、一概に辞職が悪いわけではありませんが、もし何となく「やりたいことと違う」と思って辞めているとしたら、判断を急ぎ過ぎていないかが気になるところです。

人が仕事に就く年齢は、日本では大学卒業後が多いですが、もっと早い人では10代から社会人として働きます。そこから約40年、50年と働くわけですが、そんなに長く働いている間に、経験も豊富になり、いろいろな視点から物事を見て判断ができるようになります。また、最初は結びつけて考えられなかったことでも、今いる立場でやりたい仕事をする術を見つけたり、それを実行する実力を付け、実行しやすい立場を得る可能性も出てきます。

そして、人間関係の変化や、周囲の環境の変化もあって、きっと価値観も変化していきます。これから就職しようとする若い皆さんは、就活の時点で一生の仕事を決めるような勢いで就職先を考えているかも知れませんが、先の道筋を決めつけ過ぎず、少しリラックスして考えてみても良いのではと思います。一方で、就活中に内定をもらうことに必死で、働いてからのことをあまり考えないと後で辛くなります。内定をもらうことがゴールではなく、あくまで社会人としてのスタート地点ということは忘れずに、就職先を決めて欲しいなと思います。

キャリアにおける発達理論を提唱したドナルド・E・スーパーは、5つの段階からなる職業的発達段階(ライフ・ステージ)と、人が生涯で果たす役割(ライフ・ロール)を組み合わせて概念化した、ライフ・キャリア・レインボーというモデルを発表しましたが、人のキャリアを長い目で考える時に、このモデルはよく使われます。

ライフ・ステージ
第1期=成長期(0〜15歳):職業へ関心を持ち始める
第2期=探索期(16〜25歳):仕事に就き始め、実際の経験から、現実的に職業を探索していく
第3期=確立期(26〜45歳):実践をもとに、自分の能力や適性を試していき、職業的な専門性も高まり、キャリアを確立していく。
第4期=維持期(46歳〜65歳):確立したキャリアや地位を維持する。
第5期=下降期または解放期(66歳〜):引退し、セカンドライフへ関心が移る。

ライフ・ロール
子ども、学生、職業人、配偶者、家庭人、親、余暇を楽しむ人、市民、年金生活者
※人はこの9つの役割を複数並行して持ちながら生きています。役割の数が6、8とする考え方もあります。

このライフ・ステージとライフ・ロールを組み合わせたライフ・キャリア・レインボーを図で見たい方は、ネットで検索してもらうと画像がヒットするのでチェックしてみて頂ければと思いますが、要するに、人が生きていく上で、ライフ・ロールにあるさまざまな役割を担いながら経験を経て、ライフ・ステージ(発達段階)毎にキャリアを見つめ、築いていくということです。

スーパーの他にも、ギンズバーグ、シャイン、シュロスバーグなど多くの学者が、キャリアにおける発達理論を提唱していますが、いくつもの考え方があることからわかる通り、人の人生そのものに変化は付きもので、その時その人に合うキャリア、望むキャリアも変わって当然だということです。

では何も先のことを考えなくてもよいのかというと、もちろんそうではありません。3年後、5年後、10年後どうしていたいかというくらいはイメージしてみても良いのではないでしょうか。でも、そこで決めたプランが絶対だとガチガチに思わないで、いつ何がきっかけで変化を迎えるかはわからないという気持ちを持った上で、今何をすべきかを考えてみると良いと思います。もし辞職が頭をよぎったら、安易に仕事を辞める前に、ここでもう学べることはないか立ち止まって考えることも必要です。一見全然異なる職業でも、どんな仕事にも共通する大事な姿勢や考え方はあります。また、学んだことをその後どう応用できるかは本人次第で、どんな経験も無駄にしないという発想で、今できる仕事を将来にどう結びつけるかを想像できれば、今やっていることへのモチベーションも維持できると思います。若いうち、始めのうちは転職もまだ楽なほうかも知れませんが、年齢が上がり、短い期間で転職を繰り返すと、不利になることも増えていきます。次のステップを良いものにするためにも、”好きな仕事”を今すぐやりたいと焦らずに、それを実現できる力を付けるほうが近道になるでしょう。

時計とビジネスマンイメージ写真AC

ここで「それ最初と全然職業変わってるけど、全部繋がってるやん!」と思える作品をご紹介しましょう。もうだいぶ前ですが、『宮廷女官チャングムの誓い』という韓流ドラマがヒットしました。話数が多いのでちょっと鑑賞のハードルが高いかも知れませんが、観始めたら続きが気になって最後まで観ちゃうおもしろさです。

これから観る人のためにネタバレは避けたいところですが、ここでの話と何の関係があるのかは伝えないといけないので、ざっくりとだけお話させて頂きます。この主人公チャングムは、幼い頃に両親を亡くし、子どもの頃から働き始めます。最初は両親を亡くした後に預けられた夫婦の仕事を手伝い、その後女官の見習いになります。そこから料理の腕を磨いていき、どんどん才能を開花させていくというお話です。一見、一流の料理人になって終わりなのかなと思いきや、最後に医療の世界に踏み込んでいくからおもしろい!料理の世界から、医療の世界って、どんだけ飛躍するんだと思うかも知れませんが、そのいきさつは物語を観ていると、なるほどと思います。

というわけで、このドラマを観ないとわからないというわけではありませんが、実在の人物がモデルとなっていることから考えても、今自分が考えているのと全然違う職業に就く可能性は誰にでもあるということを言いたかったのです。どんな道を辿るかは人それぞれなので、何がどう繋がっていくかも予測はできませんが、端から見てまったく関係がなさそうな転身でも、本人のなかではきっと何かしら経験が繋がっているのだと思います。

私自身もこれまで一見回り道をしているような経験を多くしてきましたが、自分の中では全部が今に繋がっていると思っています。「あんな仕事がしたい。でも、どうやったらできるんだろう?」と悩むこともあると思いますが、その筋の人に聞いてみるのはもちろん、目的地から逆算して今何ができそうかできる限り想像してみて、入口かなと思うところに踏み込んでみると、そこがまだ目的地から離れたところに思えても、方向さえ失わなければ、だんだんと近づいていけるはずです。

そのルートを想像するのが難しいと言われてしまうと終わりですが(笑)、無理と思ったらそこでおしまい。試行錯誤を繰り返し、いつもアンテナを張っていると、ビビッとくることが増えてくるので、長い目でやりたい仕事を模索していって頂ければと思います。

じゃあどうやってルートを見つけていくのかを知りたいと言われると思いますが、この連載自体、皆さんに合った仕事を見つける助けに少しでもなればと思って始めたので、引き続き一歩ずつ一緒に考えていきましょう!

オススメのお仕事ドラマ

『宮廷女官チャングムの誓い』
Amazonプライムビデオにて配信中
DVDレンタル&発売中

キャリアを考えるきっかけに観て欲しいというのもありますが、ドロドロした人間ドラマも見どころです。そして出てくる料理もすごく美味しそうで、とりあえずドラマそのものを楽しみながら、キャリアについても参考にしてもらえればと思います。

コンパクトセレクション 宮廷女官チャングムの誓い 全巻DVD-BOX

TEXT by Myson(国家資格キャリアコンサルタント)

“JOB”の写真はさんによる写真ACからの写真
時計の写真はakizouさんによる写真ACからの写真

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『彼女が好きなものは』神尾楓珠/山田杏奈 彼女が好きなものは

多様性という言葉が徐々に浸透してきている昨今ですが、まだまだそれぞれの方の心の奥にあるものまで…

映画『あなたの番です 劇場版』福原充則さんインタビュー 『あなたの番です 劇場版』福原充則さんインタビュー

大ヒットドラマ『あなたの番です』と、この度映画化された『あなたの番です 劇場版』の脚本を担当された福原充則さんにインタビューをさせていただきました。視聴者や観客が「犯人は誰?」「あそこに伏線があった?」と盛り上がる作品ということで、以前から脚本家の方に聞いてみたかった質問もぶつけてみました。

『コーダ あいのうた』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『コーダ あいのうた』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『軍艦少年』佐藤寛太 軍艦少年

世界文化遺産に登録された軍艦島が物語の鍵を握る本作は、軍艦島が見える街が…

映画『花椒(ホアジャオ)の味』サミー・チェン サミー・チェン

1972年8月19日香港生まれ。アジア中にファンを持つトップアーティストで俳優としても輝かしい成績を残し…

映画『成れの果て』萩原みのり 成れの果て

絶対に許せない罪を犯した人物が姉と結婚しようとしているという設定だけ聞くと、いろいろな疑問が湧きますが、最後に…

映画『ウエスト・サイド・ストーリー』ワールドプレミア、アンセル・エルゴート/レイチェル・ゼグラー/アリアナ・デボーズ/デヴィット・アルヴァレス/マイク・ファイスト/リタ・モレノ/スティーブン・スピルバーグ監督 スティーヴン・スピルバーグ監督&豪華キャスト集結!『ウエスト・サイド・ストーリー』聖地ニューヨークにてワールドプレミア開催

2022年2月11日より全国公開となる映画『ウエスト・サイド・ストーリー』。先日、物語の舞台にもなった聖地ニューヨーク・ウエストサイドにてワールドプレミアが行われました。会場には、スティーヴン・スピルバーグ監督をはじめ、アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラーら豪華キャスト&スタッフが登場しました。

映画『ベロゴリア戦記 第2章:劣等勇者と暗黒の魔術師』ヴィクトル・ホリニャック/ミラ・シヴァツカヤ ベロゴリア戦記 第2章:劣等勇者と暗黒の魔術師

前作で一件落着したと思ったら、今度は新たな敵が出現。そして、本作では主人公イワンが本当の…

映画『アンテベラム』ジャネール・モネイ ジャネール・モネイ

1985年12月1日アメリカ、カンザス州出身。高校卒業後、ニューヨークのアメリカン・ミュージカル・アンド・ドラマ・アカデミーに進学し…

映画『悪なき殺人』ドミニク・モル監督インタビュー 『悪なき殺人』ドミニク・モル監督インタビュー

1人の女性の失踪事件から物語が始まり、予想外の人間関係と思わぬ展開を見せる『悪なき殺人』。今回は本作で監督を務めたドミニク・モルさんにリモートでインタビューをさせていただきました。本作のお話から監督の好み、コロナ禍の映画業界についてなどお話をおうかがいしました。

部活・イベント

  1. 映画『あまくない砂糖の話』
  2. 映画『おとなの事情』
  3. MOPIE PARK(ムーピー・パーク)zoom開催イメージ
  4. 映画『映画 太陽の子』柳楽優弥/有村架純/三浦春馬
  5. 映画『まともじゃないのは君も一緒』成田凌/清原果耶

おすすめ記事

映画『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』 娘との距離を感じたエピソードや娘についての悩みを大募集!『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』企画

これは、娘の成長は嬉しいけれど親離れは寂しいなと思っているお父さんに向けた企画です!記事に採用された方には、『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』の劇場鑑賞券(ペア)をプレゼント!小学生のタビサと同じ年頃の娘さんがいらっしゃる方から思春期の娘さんがいらっしゃる方まで、どんなエピソード、メッセージ、お悩みでもOKですのでぜひご応募ください。

映画『キングスマン:ファースト・エージェント』レイフ・ファインズ/ハリス・ディキンソン お気に入りのスパイ映画はどれ?スパイ映画人気ランキング

シリアスな展開やハラハラドキドキするアクションシーンも楽しめるスパイ映画。今年は、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『キングスマン:ファースト・エージェント』など超目玉作品の公開が続きます。そこで今回は、編集部独断でスパイ映画の代表作を選抜し、皆さんのお気に入りの作品を聞いてみました!

映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』佐藤健 楽しい妄想シリーズ:1日あの人になってみたい!〜演技派俳優編〜

楽しい妄想シリーズ第3弾!今回は、皆さんがもし1日だけ演技派俳優になって映画に出られるとしたら、誰…

映画『ブライズ・スピリット〜夫をシェアしたくはありません!』ダン・スティーヴンス/レスリー・マン/アイラ・フィッシャー 好きな人が付き合っていた人ってどんな存在?『ブライズ・スピリット〜夫をシェアしたくはありません!』アンケート特集

驚異の2000回上演を果たしたノエル・カワードの名作戯曲「陽気な幽霊」を原案とし、『ダウントン・アビー』のスタッフとキャストが作った本作。今回は副題にある「夫をシェアしたくはありません!」というテーマにそったアンケートを実施し、映画好きの皆さんの本音を調査しました。

映画『真夜中の五分前』三浦春馬/リウ・シーシー(中国) 映画好き女子が“もう一度、映画館で観たい”映画特集4:ドラマ、サスペンス、ホラー編

本特集はついに最終回!今回は、ドラマ、サスペンス、ホラー編を紹介します。

映画『映画 太陽の子』柳楽優弥/有村架純/三浦春馬 今の私達と変わらない若者達の本音に共感『映画 太陽の子』部活リポート

今回は、太平洋戦争末期に行われていたとされる“F研究”と呼ばれる日本の原爆開発の事実を基に、その研究に関わった若者達やその家族達の葛藤を描いた青春群像劇『映画 太陽の子』を観て、座談会を行いました。当時の若者達がどんなことを思っていたのか、本心はどうだったのかと想像しながら、自分達ならどうしていたか、いろいろな視点で語っていただきました。

映画『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』ベン・スティラー/ロビン・ウィリアムズ/ベン・キングズレー他 映画好きとして観ておきたい映画ランキング:シリーズもの“洋画恋愛、コメディ、ドラマ、クライム編”

今回は、編集部独断で選抜した洋画シリーズ、恋愛、コメディ、ドラマ、クライム編(アニメーションを除く)についてアンケートを実施し、ランキングを出しました。映画好き女子による思い入れあるコメントにも注目です!

映画『レイダース失われたアーク《聖櫃》』ハリソン・フォード あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『インディ・ジョーンズ』

「勝手にキャスティング企画!」第5弾は、『インディ・ジョーンズ』。ハリソン・フォードが演じたインディ・ジョーンズ役、ショーン・コネリーが演じたヘンリー・ジョーンズ(インディの父親)役を新たに演じるとしたら誰が良いか挙げていただきました。

映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』ビル・スカルスガルド 映画好きとして観ておきたい映画ランキング:シリーズもの“洋画ホラー、スリラー、サスペンス、ダークファンタジー編”

今回は、編集部独断で選抜した洋画シリーズ、ホラー、スリラー、サスペンス、ダークファンタジーについてアンケートを実施し、ランキングを出しました。ぜひ参考にしてみてください!

映画『インターステラー』マシュー・マコノヒー 映画好き女子が“もう一度、映画館で観たい”映画特集3:SF&ファンタジー編

今回は、SF&ファンタジー編!迫力あるシーンや美しい映像がたくさん登場するSF&ファンタジー作品ですが、今回はどんな作品が挙がったのでしょうか?

REVIEW

  1. 映画『彼女が好きなものは』神尾楓珠/山田杏奈
  2. 映画『軍艦少年』佐藤寛太
    軍艦少年

  3. 映画『成れの果て』萩原みのり
    成れの果て

  4. 映画『ベロゴリア戦記 第2章:劣等勇者と暗黒の魔術師』ヴィクトル・ホリニャック/ミラ・シヴァツカヤ
  5. 映画『グロリア 永遠の青春』ジュリアン・ムーア/ジョン・タトゥーロ
  6. 映画『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』ルーク・ドイル/ミシャ・ハンドリー
  7. 映画『スパゲティコード・ラブ』倉悠貴/三浦透子/清水尋也/八木莉可子/古畑新之/青木柚/xiangyu/香川沙耶/上大迫祐希/三谷麟太郎/佐藤睦/ゆりやんレトリィバァ/土村芳
  8. 映画『悪なき殺人』ダミアン・ボナール
    悪なき殺人

  9. 映画『tick, tick... BOOM!: チック、チック...ブーン!』アンドリュー・ガーフィールド
  10. 映画『ベロゴリア戦記 第1章:異世界の王国と魔法の剣』ヴィクトル・ホリニャック/ミラ・シヴァツカヤ
PAGE TOP