REVIEW

メディア王~華麗なる一族~【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン4』ジェレミー・ストロング/ブライアン・コックス/キーラン・カルキン/セーラ・スヌーク/アラン・ラック/マシュー・マクファディン/ニコラス・ブラウン

シーズン4

REVIEW

寂しいですが、本シリーズは今シーズンでオールラストです。でも、最後の最後まで荒れまくりますよ!これまで企業を買収する側だったウェイスター・ロイコ社は、ある企業の売買交渉のなか、形勢逆転されてしまいます。これにより、ロイ家の中の対立構造も大きく変わります。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン4』

前シーズンまでで、ケンダル(ジェレミー・ストロング)、シヴ(セーラ・スヌーク)とローマン(キーラン・カルキン)は、順に後継者の可能性をほのめかされながらも期待を裏切られてきました。だから3人は常にライバルとして父ローガンに認められるようにもがいてきたわけですが、誰も継げない可能性が浮上してきたことで、きょうだいで結束しようとする動きが出てきます。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン4』ジェレミー・ストロング/キーラン・カルキン/セーラ・スヌーク

正直なところ、シーズン1では好きになれるキャラクターが出てこないのではないかと思うくらい、どのキャラクターも憎々しい性格が前面に出ていましたが(笑)、シーズンを経るに連れ、それぞれが抱える苦悩が見えてきて、同情できる部分も出てきます。さらに今シーズンではきょうだい同士で支え合う姿も出てくるので、一層彼等の将来が心配になり物語に引き込まれます。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン4』ブライアン・コックス

そして、まさかの展開も起こるので、きょうだいの結束はさらに深まります。とはいえ、それでも会社をどうするのかという問題は続くので、家族関係と仕事関係で複雑な思いが交錯していきます。長男のコナーは相変わらずの立ち位置でありながら、別の展開で要になってきます。政治と経済の関係、超富裕層と政治家の癒着の生々しい現実を垣間見られるのも本シリーズの特徴でしょう。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン4』アラン・ラック

さらに、これまで小物扱いをされ続けてきた人物もロイ家に訪れた大きな出来事に乗じて暗躍します。恋愛も含めてこじれまくるので、本当に最後まで結末が読めません。ロイ家のきょうだいを応援したくなる気持ちはあるものの、現代社会ではこれが現実的なんだろうという結末が頭をよぎります。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン4』ジェレミー・ストロング/キーラン・カルキン/セーラ・スヌーク

本作は主に同族経営に物申すストーリーなので、そこがドラマチックであるのは当然ながら、背景に政治的取引も描かれているので、いち庶民としては、一握りの権力者の個人的な欲による支配がまかり通っていることに恐怖を感じました。また、自分が実社会で実践するわけではないとしても、ビジネスの勉強になる部分もあるので、政治、経済に興味のある方はぜひご覧ください。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン4』ジェレミー・ストロング/ブライアン・コックス/キーラン・カルキン/セーラ・スヌーク/アラン・ラック/マシュー・マクファディン/ニコラス・ブラウン

『メディア王~華麗なる一族~ シーズン4』
U-NEXTにて見放題で独占配信中
R-15+
U-NEXT概要ページ U-NEXTで観る

© 2023 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

TEXT by Myson


シーズン3

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン4』ジェレミー・ストロング/ブライアン・コックス/キーラン・カルキン/セーラ・スヌーク/アラン・ラック/マシュー・マクファディン/ニコラス・ブラウン

REVIEW

シーズン2のラストで、再びケンダル(ジェレミー・ストロング)が大波乱を起こし、びっくりした方も多いのではないでしょうか。シーズン2のラストで交わされたローガン(ブライアン・コックス)とケンダルの会話を思い出すと、ケンダルの大胆な決断には意味深さを感じます。ローガンにとっては痛手でしょうが、ある意味ローガンがケンダルにはできないと言い放ったことをケンダルが実行したとも受け取れます。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン3』ニコラス・ブラウン

そして、物語が進み、背景が見えてくると、「あれ?いつから企んでたの?」と改めて気になる部分が出てきます。そうして、キャラクターの裏の顔がまだまだ隠れていることがうかがえます。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン3』ブライアン・コックス/セーラ・スヌーク(サラ・スヌーク)/キーラン・カルキン

シーズン3では、シヴ(セーラ・スヌーク)とローマン(キーラン・カルキン)の存在感がますます出てきます。ただ、シヴは前シーズンで暴走したことで立場が不安定になり、ローガンの気まぐれも相変わらずで、後継者はなかなか決まりません。そんななか、ローマンは手柄を立てつつ失態も晒すので、後継者レースは振り出しに戻った感が出てきます。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン3』ニコラス・ブラウン

奇妙な同盟で結ばれたトム(マシュー・マクファディン)とグレッグ(ニコラス・ブラウン)は、相変わらず風見鶏のような立場ながら、ふとした行動が展開に影響を及ぼします。ロイ家のヒエラルキーで下層にいる2人が今後どんな立場になるのかにも要注目です。さらに、シヴとトムの関係もどんどんややこしくなっていきますよ。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン3』セーラ・スヌーク/マシュー・マクファディン

ウェイスター・ロイコ社は、大ピンチに陥っていながら、ローガンの影響力は絶大で、政界への影響を描くシーンは、現実の世界を投影しているようで生々しいです。会社が存続をかけてあらゆる策を講じるなか、今シーズンでは、エイドリアン・ブロディやアレクサンダー・スカルスガルドが演じる新たなキーパーソンも登場するのでお楽しみに。また、きょうだいの関係も変わってきて、これまでとは異なるパワーバランスで再び大波乱が起きるので乞うご期待!

『メディア王~華麗なる一族~ シーズン3』
U-NEXTにて見放題で独占配信中
R-15+
U-NEXT概要ページ U-NEXTで観る

© 2022 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

TEXT by Myson


シーズン2

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン2』ニコラス・ブラウン/ブライアン・コックス/キーラン・カルキン/マシュー・マクファディン/セーラ・スヌーク/ジェレミー・ストロング

REVIEW

シーズン1では、ローガンの子ども達の中でケンダル(ジェレミー・ストロング)が波乱を起こしたものの、結末でローガン(ブライアン・コックス)の圧倒的な支配力が示されました。今シーズンでも、ケンダルはキーパーソンでありつつ、末っ子のシヴ(セーラ・スヌーク)が存在感を表します。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン2』ブライアン・コックス/ジェレミー・ストロング

シーズン1で4人きょうだいそれぞれのキャラクターがある程度見えました。全員クセはあるものの、頭がキレて、対外的に一番まともに見えるのはシヴです。ローガンはそんなシヴに期待を寄せていて、いよいよ彼女にもチャンスがやってきます。ただ、シヴはこれまで会社に関わっておらず経験もありません。一方で野心は兄達に負けないくらいあります。そうしたシヴの背景が功を奏するのかどうかが今シーズンの見どころの一つとなっています。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン2』セーラ・スヌーク/キーラン・カルキン

一方、ローマン(キーラン・カルキン)はある人物と奇妙な関係を築いていきます。前シーズンではおちゃらけキャラの面が際立っていたものの、今シーズンでは彼の強いコンプレックスが見えてきます。そして、彼なりの葛藤と優しさも描かれていて、次シーズンではローマンがキーパーソンとなりそうな予感を漂わせています。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン2』ジェームズ・クロムウェル/ニコラス・ブラウン

前シーズンの最後でウェイスター・ロイコ社は、一旦危機を乗り越えられたかと思いきや、次は長年隠していたスキャンダルが発覚し、これまでにない窮地に立たされます。ここで前シーズンでグレッグ(ニコラス・ブラウン)が取った行動が大きな影響力を持ってきます。グレッグにとってチャンスなのかピンチなのかという点も要チェックです。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン2』ブライアン・コックス

また今シーズンではある企業の買収の行方が大きな見せ場となっています。その展開において、ホリー・ハンターが演じるキャラクターがロイ家の運命に大きく関わってきます。さらに、長男コナーはとんでもない計画を思いつき、ケンダルもさらなる問題を引き起こします。なので、今シーズンも存分にハラハラドキドキを楽しめますよ。シーズン1の結末の衝撃を超える展開にご期待ください。

『メディア王~華麗なる一族~ シーズン2』
U-NEXTにて見放題で独占配信中
R-15+
U-NEXT概要ページ U-NEXTで観る

© 2021 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

TEXT by Myson


シーズン1

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン1』ブライアン・コックス/キーラン・カルキン/セーラ・スヌーク/ジェレミー・ストロング

REVIEW

メディア王として知られるルパート・マードックをモデルにしたとされる本作は、ファミリービジネスに翻弄される一家を主人公にした群像劇です。ルパート・マードックは、1931年3月11日生まれで、ちょうどこのレビューを書いている頃、2024年6月3日に、93歳で5回目の結婚をしたというニュースが報じられました。また、2023年9月21日(米国時間)に、フォックスコーポレーションとニューズ・コーポレーションの会長を退任することを発表し、現実世界でもまだまだ“帝国”の行方は注目を集めているようです。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン1』ブライアン・コックス

シーズン1の最初の数話は、メディア王として君臨するローガン・ロイ(ブライアン・コックス)と子ども達、そして、彼等の周りにいる人達の力関係が描かれています。ローガンには3人の息子と娘が1人いて、子ども達は皆ローガンに評価されたいと思っていると同時に彼を恐れています。シーズン1では、きょうだいの中でもケンダル(ジェレミー・ストロング)がファミリービジネスに波紋を広げ、跡継ぎ争いと企業買収をテーマにシリアスなテンションが続きます。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン1』ニコラス・ブラウンニコラス・ブラウン/ブライアン・コックス/キーラン・カルキン/セーラ・スヌーク
左から三男ローマン(キーラン・カルキン)/次男ケンダル(ジェレミー・ストロング)/長男コナー(アラン・ラック)/末っ子で長女”シヴ”ことシヴォーン(セーラ・スヌーク ※サラ・スヌークと書くこともあり)

家族とはいえども、お互いにいつも腹の探り合いをしている状況が怖すぎるのと、超富裕層の毒気を凝縮して前面に押し出したキャラクターが勢揃いしている点で、正直なところ最初は感情移入ができそうなキャラクターが見つからないかもしれません。ただ、だんだん一人ひとりの性格や背景が見えてくると、共感といおうか同情が生まれてくるはずです。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン1』ニコラス・ブラウン

そして、何といってもキャスト達の名演が見ものです。まず、貫禄が抜群で、子ども達や部下達に容赦ないローガンをブライアン・コックスが見事に演じています。ジェレミー・ストロングは、野心が旺盛ながら、父ローガンとの関係で公私ともに一番追い込まれていくケンダルの複雑な心境をリアルに表現しています。キーラン・カルキンは、つかみどころのない変わり者ローマンの役にピッタリです。ニコラス・ブラウンは、周囲に舐められているように見えて侮れないところがあるダークホース的キャラクターのグレッグを好演しています。そして、マシュー・マクファディンが演じるトムは、出世するためにローガンに取り入ろうと必死のまさに”上辺だけ”の男として、ドラマを盛り上げます。さらに、ジェームズ・クロムウェルが演じるユアンはここぞという場面で登場し、読めない展開をもたらします。

海外ドラマ『メディア王~華麗なる一族~ シーズン1』セーラ・スヌーク/マシュー・マクファディン

スケールの大きいビジネスのウラ側を覗くおもしろさと同時に、富と名声があるがゆえの歪な家族の物語を描いたドラマとなっています。シーズン2はこれ以上の波乱が待ち受けていると思うと期待が膨らみます。

『メディア王~華麗なる一族~ シーズン1』
U-NEXTにて見放題で独占配信中
R-15+
U-NEXT概要ページ U-NEXTで観る

© 2019 Home Box Office,Inc. All rights reserved. HBO ® and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年6月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ジョイランド わたしの願い』サーイム・サーディク監督インタビュー 『ジョイランド わたしの願い』サーイム・サーディク監督インタビュー

カンヌ国際映画祭他、世界で旋風を巻き起こした話題作『ジョイランド わたしの願い』。今回は本作で長編映画デビューを飾ったサーイム・サーディク監督にお話を伺いました。

映画『リトル・ワンダーズ』スカイラー・ピーターズ/フィービー・フェロ/ローレライ・モート/チャーリー・ストーバー リトル・ワンダーズ【レビュー】

子ども達の日常はひょんなことから大冒険になる…

映画『徒花-ADABANA-』水原希子さんインタビュー 『徒花-ADABANA-』水原希子さんインタビュー

今回は『徒花-ADABANA-』で臨床心理士、まほろ役を演じた水原希子さんにインタビューをさせていただきました。チャーミングな雰囲気がとても印象的で、どの質問にも真摯に回答してくださいました。

映画『アイミタガイ』黒木華 アイミタガイ【レビュー】

本作は、中條ていの同名小説を原作とし、市井昌秀、故・佐々部清とともに草野翔吾監督が脚本を作成し映画化…

映画『トラップ』オリジナルクロスボディバッグ 『トラップ』オリジナルクロスボディバッグ 3名様プレゼント

映画『トラップ』オリジナルクロスボディバッグ 3名様プレゼント

Netflix映画『シティーハンター』鈴木亮平 映画好きが推すイイ俳優ランキング【国内40代編】総合

今回は、国内40代(1975年から1984生まれ)のイイ俳優の中から、昨今活躍が目覚ましい方を編集…

映画『十一人の賊軍』⼭⽥孝之/仲野太賀/岡山天音/鞘師里保/佐久本宝/一ノ瀬颯 十一人の賊軍【レビュー】

多くの作品を手掛けた脚本家、笠原和夫氏が一度企画を出したものの映画化が実現されないままでした本作を、白石和彌監督が…

映画『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』ブレイク・ライブリー 『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』特別試写会 20組40名様ご招待

映画『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』特別試写会 20組40名様ご招待

映画『破墓/パミョ』ジャパンプレミア:チェ・ミンシク、キム・ゴウン、チャン・ジェヒョン監督 実際に霊魂を呼んじゃった!?『破墓/パミョ』チェ・ミンシク、キム・ゴウン、チャン・ジェヒョン監督来日!

韓国で大ヒットを飛ばした『破墓/パミョ』を引っさげて、主演のチェ・ミンシク、キーパーソンを演じたキム・ゴウン、チャン・ジェヒョン監督が来日…

映画『トラップ』ジョシュ・ハートネット/アリエル・ドノヒュー トラップ【レビュー】

毎度、さまざまな仕掛けで楽しませてくれるM.ナイト・シャマラン監督の作品とあって…

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

Netflix映画『シティーハンター』鈴木亮平 映画好きが推すイイ俳優ランキング【国内40代編】総合

今回は、国内40代(1975年から1984生まれ)のイイ俳優の中から、昨今活躍が目覚ましい方を編集…

映画『僕はイエス様が嫌い』佐藤結良 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.1

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介!

映画『コレット』キーラ・ナイトレイ 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外30代編】個性部門

イイ俳優ランキング【海外30代編】から、今回は<個性部門>のランキングを発表します。映画好きから見…

REVIEW

  1. 映画『リトル・ワンダーズ』スカイラー・ピーターズ/フィービー・フェロ/ローレライ・モート/チャーリー・ストーバー
  2. 映画『アイミタガイ』黒木華
  3. 映画『十一人の賊軍』⼭⽥孝之/仲野太賀/岡山天音/鞘師里保/佐久本宝/一ノ瀬颯
  4. 映画『トラップ』ジョシュ・ハートネット/アリエル・ドノヒュー
  5. 映画『まる』堂本剛

PRESENT

  1. 映画『トラップ』オリジナルクロスボディバッグ
  2. 映画『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』ブレイク・ライブリー
  3. 映画『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』フジコ・ヘミング
PAGE TOP