REVIEW

キリエのうた

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『キリエのうた』アイナ・ジ・エンド/松村北斗/広瀬すず

人の生きる力を感じる物語。そして、他人を助けようとしてるのに何もできない自分に無力感があったとしても、そこにいるだけで少しは力になれていると教えてくれる物語です。本作には、一見不可解な状況の2人の女の子が新宿の町で出会い、一日いちにちを生き延びる姿が描かれています。
主人公のキリエ(アイナ・ジ・エンド)は、歌は歌えるけれど、声が出ない問題を抱えています。物語は3つの時間軸で描かれ、彼女に何が起きたのかが徐々に紐解かれていきます。キリエは壮絶な人生を歩んでいるけれど、とても逞しい女性です。か弱く見えながらもポリシーを持って生き抜くキリエの姿に共感を覚えます。キリエの武器は歌で、キリエを演じるアイナ・ジ・エンドのパワフルでエモーショナルな声と表現力に圧倒されます。また、アイナ・ジ・エンドは6曲の劇中曲を手掛けており、その歌詞とメロディもキリエというキャラクターはもちろん、本作の世界観を形作っています。
絵画的なシーンと、若者の心の内を吐露する楽曲で彩られる本作は、観る者をあっという間に岩井俊二ワールドへ誘います。ただ美しいだけではなく残酷さがあるのも岩井俊二監督が描く物語の魅力。何を残酷と思うかという点も観る人によって異なるはずで、鑑賞後に他者と意見を交わすとおもしろそうです。岩井俊二、小林武史(音楽)、豪華キャストが集結して紡ぐ物語は、3時間の上映時間もあっという間。映画で、異世界に没入する感覚をぜひ味わってください。

デート向き映画判定
映画『キリエのうた』アイナ・ジ・エンド/広瀬すず

複雑な心境になる展開もありながら、キャラクターと同じ状況で気まずくなりそうな関係性の方は稀だと思うので、デートで観てもオーケーでしょう。ただし、約3時間の上映時間なので、一方がハマらないとお互いに気を使うかも。誘う際にはどれくらい興味があるか見極めたほうが良さそうです。映画好きはもちろん、音楽映画なので、音楽好きカップルにもオススメです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『キリエのうた』松村北斗/黒木華

ティーンの皆さんはキリエや一条逸子(広瀬すず)の視点に立って等身大で観られそうです。過去とか未来にいろいろ考えることがあったとしても、今を一生懸命生きるキリエの姿を観て、何かしら刺激を受けられるところがあるかもしれません。思い通りにいかないことは必ずあるけれど、皆悩みながら生きている姿にも励まされると思います。

映画『キリエのうた』アイナ・ジ・エンド/松村北斗/黒木華/広瀬すず

『キリエのうた』
2023年10月13日より全国公開
東映
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©2023 Kyrie Film Band

TEXT by Myson


関連作:岩井俊二×小林武史による音楽映画

『リリイ・シュシュのすべて』

Amazon Prime Videoで観る  U-NEXTで観る 

『スワロウテイル』

Amazon Prime Videoで観る U-NEXTで観る Huluで観る

書籍「キリエのうた」岩井俊二著/文春文庫

Amazonで書籍を購入する

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2023年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『汝、星のごとく』横浜流星/広瀬すず 汝、星のごとく【レビュー】

凪良ゆうの同名ベストセラーを原作とする本作は、横浜流星の熱い想いが企画の発端だったといいます…

映画『ダビデ ~王になった少年~』 『ダビデ ~王になった少年~』特別試写会 5組10名様ご招待

映画『ダビデ ~王になった少年~』特別試写会 5組10名様ご招待

【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集! 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!

Season2では、比喩的思考、批判的思考、論理的思考を軸として、「思考力を鍛える映画鑑賞の仕組み」を探求するスタンスで一連の流れを意識して構成しています。 とはいえ、毎回冒頭で前回までの振り返りを簡単にしますので、好きな回だけ単発で参加いただいてもOKです。映画に関する雑談も含めて一緒に楽しみましょう!

Netflixシリーズ『ダウンタイム』松岡茉優/仲里依紗 ダウンタイム【レビュー】

REVIEWダウンタイムという言葉をこのドラマで知りました。ダウンタイムとは、美容医療の施…

映画『時給三〇〇円の死神』西畑大吾/福本莉子 時給三〇〇円の死神【レビュー】

若者の心情に寄り添うストーリーなので、映画公式資料にあった「企画会議で若手スタッフが持ち込んだ一冊の同名小説との出会いから始まった」という記述を読み納得…

映画『八つ墓村』滝藤賢一 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年9月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年9月】のアクセスランキングを発表!

映画『DIGGER/ディガー』トム・クルーズ DIGGER/ディガー【レビュー】

かなり手の込んだ作品です。映画公式サイトによると、俳優人生45年のトム・クルーズ自身が「この役を演じられるようになるまで40年かかった」と語っており…

映画『世界で最後の愛しい娘!』チョ・ジョンソク/チェ・ユリ 『世界で最後の愛しい娘!』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『世界で最後の愛しい娘!』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『逃げろお嬢さん』井口理(King Gnu) 逃げろお嬢さん【レビュー】

『国宝』の原作者として知られる吉田修一の小説は、これまでも『悪人』『横道世之介』『さよなら渓谷』『怒り』など数多く映画化されてています。本作は、吉田修一の短編集「逃亡小説集」に収められている「逃げろお嬢さん」を映画化…

映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』川口春奈/高杉真宙 ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記【レビュー】

本作は、21歳の時にステージIVの大腸がんと宣告された遠藤和さんが遺した同名の手記が原作です…

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集! 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!

Season2では、比喩的思考、批判的思考、論理的思考を軸として、「思考力を鍛える映画鑑賞の仕組み」を探求するスタンスで一連の流れを意識して構成しています。 とはいえ、毎回冒頭で前回までの振り返りを簡単にしますので、好きな回だけ単発で参加いただいてもOKです。映画に関する雑談も含めて一緒に楽しみましょう!

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ 映画好きが選んだアン・ハサウェイ人気作品ランキング

今回は、アン・ハサウェイ出演作品(日本劇場未公開作品と直近の劇場公開作品を除く)を対象に、正式部員…

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミSeason2】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求(2)言葉とイメージの関係」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミSeason2 第1回】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求①オリエンテーション」参加者募集!
  3. 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『汝、星のごとく』横浜流星/広瀬すず
  2. Netflixシリーズ『ダウンタイム』松岡茉優/仲里依紗
  3. 映画『時給三〇〇円の死神』西畑大吾/福本莉子
  4. 映画『八つ墓村』滝藤賢一
  5. 映画『DIGGER/ディガー』トム・クルーズ

PRESENT

  1. 映画『ダビデ ~王になった少年~』
  2. 映画『世界で最後の愛しい娘!』チョ・ジョンソク/チェ・ユリ
  3. 映画『RYUJI 竜二』柳楽優弥/萩原利久/JUNON(BE:FIRST)
PAGE TOP