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映画で“食”について考えてみよう8:三大栄養素は体を動かすエネルギー源

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映画『あまくない砂糖の話』

私達は、生命の維持や成長のために毎日食事をします。体内に取り込まれた食べ物は、消化、分解、吸収され、吸収された物質は、エネルギー源となったり、体の組織を生成、生態機能を調整します。これらの一連の営みを“栄養”と言い、栄養のために必要な物質を“栄養素”と言います。今回はそんな栄養素の基礎となる“糖質”“脂質”“たんぱく質”の三大栄養素について紹介します。

三大栄養素それぞれの役割とは?

★糖質
多く含まれる食材:穀類、いも類、はるさめ、コーンフレーク、パンなど
ごはんなどの穀類やいも類に多く含まれる栄養素で、主にエネルギー源として利用される重要な栄養素。なお、人の消化酵素で消化される糖質と、消化されない食物繊維を合わせたもののことを“炭水化物”と言います。糖質は1gあたり4kcalのエネルギーとなりますが、体内でエネルギーとして使うにはブドウ糖にまで分解する必要があります。ブドウ糖は肝臓でグリコーゲンとして蓄えられ、必要に応じてブドウ糖に分解される他、血液を通して筋肉やその他の組織に運ばれ、そこで分解される際に生じるエネルギーが生命活動のもとになります。ただし、過剰なブドウ糖は中性脂肪になって蓄積され、肥満の原因にもなるので、糖質の摂り過ぎには注意が必要です。
→食事のバランスについてはこちらを参考にしてみてください。

映画『あまくない砂糖の話』

★脂質
多く含まれる食材:植物油、ラード、牛脂、バターなど
脂質は、細胞膜、核酸、神経組織などの構成成分として必要な栄養素で、1gあたり9kcalのエネルギーとなります。高いエネルギー量となりますが、脂溶性ビタミン(水に溶けにくく油脂やアルコールに溶ける性質があるビタミン)の吸収も助ける重要な栄養素です。脂質は脂肪酸とグリセリンに分解され、小腸から吸収されます。そこで中性脂肪に再合成され、体の各部分に送られ、肝臓や筋肉、その他の組織で分解される時にエネルギーが発生し、生命活動のもとになります。中性脂肪は、貯蔵脂肪として皮下や臓器の周辺に蓄えられます。中性脂肪は、“脂肪”と呼ばれることが多く、“脂肪=太る”というイメージのある方も多いと思いますが、脂肪は内臓を守るためのクッションになったり、体温保持、体のラインを整えるなどの大切な役割も担っています。

★たんぱく質
多く含まれる食材:肉、魚、卵、牛乳、大豆など
たんぱく質は約20種類のアミノ酸が多数結合したもので、1gあたり4kcalのエネルギーとなります。アミノ酸の数、種類などによって体の中での働きが異なり、筋肉、臓器、血色素(ヘモグロビン)、酵素、ホルモンなどの合成に関わっていきます。アミノ酸のうち、体内で合成できない9種類(成人は8種類)は“必須アミノ酸”と呼ばれ、食事から摂る必要があり、主にまぐろ、かつお、あじ、サンマ、牛肉、鶏肉、卵、大豆、チーズなどに多く含まれています。たんぱく質が不足すると体を構成するたんぱく質が分解されて不足分を補うため、体力や免疫力が低下します。また、たんぱく質から分解されたアミノ酸は、一部尿素となって排泄されるため、摂り過ぎてしまうと腎臓に負担がかかってしまいます。

映画『あまくない砂糖の話』

上記内容から、どの栄養素も私達の体にとって必要不可欠なものであり、決して欠かせないものであることがわかると思います。他にも、三大栄養素には細かい役割がたくさんありますが、今回挙げた代表的な役割だけでも意識して食事を摂ってみてください。次回は、今回の栄養素の続編として、体の調子を整える働きをする“ビタミン”と“ミネラル”、そして第6の栄養素とも呼ばれる“食物繊維”の役割についてご紹介します。

<参考・引用資料>
三ッ井清貴「服部幸應の食育インストラクター養成講座 テキスト1」(がくぶん)
農林水産省Webサイト
本内容は、上記で語られている内容を一部引用しまとめたものです。

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『フード・ラック!食運』
2021年3月24日よりブルーレイ&DVD発売・レンタル開始
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

下町に店を構える人気焼肉店の1人息子、良人の毎日の楽しみは、母の手料理を食べることだった。しかし、ある事件がきっかけで店は閉店し、成長した良人は家を飛び出し、母とも疎遠になっていた。そんなある日、グルメ情報サイトの立ち上げを任されることになった良人のもとに、母が倒れたと連絡が入り…。

★食の注目POINT!!
美味しそうな焼肉の映像は観ているだけでお腹が空いてしまうこと間違いなし!お肉は大切なたんぱく源。観賞後はお肉を食べに行くのも良いと思います。そして、物語のキーとなっているのが母の味。どんなに高級店に行っても、やっぱり母の味だけは母にしか出せないものだと感じさせてくれます。

あまくない砂糖の話(字幕版)

『あまくない砂糖の話』
DVDレンタル・発売中/デジタル配信中

人間は、1日に平均でスプーン40杯もの砂糖を摂取している。世の中にはヘルシーな食品があふれているはずなのに、なぜそんなに多くもの砂糖を摂取しているのか?オーストラリアの俳優デイモン・ガモーが自ら被験者となり、低脂肪ヨーグルト、穀物バー、フルーツジュース、シリアルなど、ヘルシーと言われる食品を60日間食べ続け、体や心がどのように変化していくのかを記録したドキュメンタリー。

★食の注目POINT!!
ヘルシーだと思っていた食品に実は大量の砂糖が潜んでいるという驚愕の事実を知ることができ、自分の食事を見直すきっかけになります。ダイエット中の方はもちろん、健康的な体を手に入れたい方にもオススメの1作です。

© 2014 Madman Production Company Pty Ltd, Old Mates Productions Pty Ltd, Screen Australia ALL RIGHTS RESERVED

TEXT by Shamy(NPO日本食育インストラクターPrimary)

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