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一月の声に歓びを刻め【レビュー】

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映画『一月の声に歓びを刻め』前田敦子

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なぜ被害者がこんな気持ちにならなければいけないのか。性被害にはこの問題がつきまといます。傷付けられた側なのに抱いてしまう罪悪感、自分が汚れてしまったような感覚、心を麻痺させることでしか自分自身を守れないような無力感…。この感覚ってどこからなぜ生まれてしまうのだろうと、本作を観ながら改めて考えました。
もちろん簡単に答えは出ません。ただ、本作に登場するさまざまなキャラクターを観ていると、愛情深さ、人を信じたい気持ちがある人ほど、辛いし、苦しいし、絶望感でいっぱいになると同時に、何とか生きていく強さを持っているのかもしれないと感じます。それは3つの物語の主人公だけではなく、さまざまな人間性が垣間見える周囲のキャラクター達との対比でも伝わってきます。
映画公式サイトには、三島有紀子監督のメッセージが書かれてあり、覚悟を持って作られた作品だとわかります。生きていくために塞いでいた傷と向き合うのがどんなに怖かっただろうか、辛かっただろうかと考えると、込み上げてくるものがあります。三島監督が本作を作られた勇気、傷を抱えて生きるキャラクターの姿は、同じように苦しむ方々に勇気を与えてくれるはず。映画の存在意義を改めて感じます。

デート向き映画判定

映画『⼀⽉の声に歓びを刻め』哀川翔/原田龍二

テーマが重いので、初デートの相手と観るにはハードルが高いと思います。でも、こういう現実があることは共有しておきたいので、真剣交際をしている相手と観るのはアリだと思います。どんな感想を持つかによって、良くも悪くも普段はわからない相手の人間性が見えるかもしれない点は覚悟しましょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『⼀⽉の声に歓びを刻め』カルーセル麻紀

本作は、幼い頃に悪い大人に傷つけられた主人公を描いています。そして、家族を傷つけられて苦しむ人達の姿も映し出されています。被害に遭うと、その時だけではなく、長く苦しみ続けることになります。こんなことは絶対にあってはいけません。でも、世の中には、声を上げられないような弱者を狙う悪事が絶えずあります。社会が変われば良いですが、まだまだアテにできません。自分を守るため、立ち向かうためにも観ておいて欲しい作品です。

映画『⼀⽉の声に歓びを刻め』前田敦子

『一月の声に歓びを刻め』
2024年2月9日より全国公開
東京テアトル
公式サイト

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© bouquet garni films

TEXT by Myson

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