REVIEW

ハウス・オブ・ザ・ドラゴン【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン <シーズン2>』エマ・ダーシー/オリヴィア・クック

シーズン2

海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン <シーズン2>』エマ・ダーシー

今シーズンでは、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』というタイトルにふさわしく、ドラゴンが要となるストーリーが大きく展開します。シーズン1のラストで起きた悲劇によって、レイニラが率いる《黒装派》と、アリセントの息子エイゴン2世を王に据えた《翠装派》は、一触即発の事態に陥りました。お互いが戦力を拡大しようとする上でドラゴンの存在は大きいものの、騎竜者不足のなか、とある人物が秘策を思い付きます。

海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン <シーズン2>』

ドラゴンに乗ることができる騎竜者にまつわるくだりを観ていると、『ゲーム・オブ・スローンズ』のある展開を思い出します。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』も『ゲーム・オブ・スローンズ』も血筋が重視されると同時に、血筋だけではなく、どこでどう育ったか、育てられたかが重視される点も大変興味深いです。

海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン <シーズン2>』リス・エヴァンス

血筋は文字どおり、高貴な家柄の血統という意味もありつつ、騎竜者になるにはドラゴンから認められなければいけない点では、才能や可能性の比喩のようにも受け取れます。そう考えると、誰にも平等に機会が訪れるという意味で、私達の現実世界にも置きかえて観られる分、余計に本シリーズのおもしろみを感じます。

海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン <シーズン2>』ユアン・ミッチェル/ファビアン・フランケル

そして、今シーズンでは、王座への野望を抱く新たな人物が暗躍します。家族内でも気を許せない緊張感のあるストーリーから、まだまだ目が離せません。

海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン <シーズン2>』エマ・ダーシー/オリヴィア・クック

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン シーズン2』
2024年6月17日よりU-NEXTにて配信中
R15+
公式サイト U-NEXTで観る

海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン <シーズン2>』フィア・サバン/マシュー・ニーダム/リス・エヴァンス/トム・グリン=カーニー/ファビアン・フランケル/ユアン・ミッチェル/オリヴィア・クック
海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン <シーズン2>』エマ・ダーシー/マット・スミス/イヴ・ベスト/スティーヴ・トゥーサント/ハリー・コレット/ソノヤ・ミズノ/フィービー・キャンベル/ベサニー・アントニア

© 2024 Home Box Office, Inc. All rights reserved.

TEXT by Myson

シーズン1

海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』エマ・ダーシー

第1話から引き込まれ、一気に観てしまう内容です。本作は大人気海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』から200年前の世界を描いていて、ドラゴンを従えるターガリエン家を軸とした物語となっています。ジョージ・R・R・マーティン著「炎と血」を原作としており、この小説は『ゲーム・オブ・スローンズ』のデナーリス(エミリア・クラーク)の3代前の当主による征服から150年間を描いているとされています。
『ゲーム・オブ・スローンズ』を観ている方にとっては、世界観が掴めた状態で観るのですんなり入り易いのはもちろんのこと、逆に『ゲーム・オブ・スローンズ』を全く観ていない方は時間軸通りに観られるのでわかりやすいと思います。また、『ゲーム・オブ・スローンズ』は登場人物が大変多く難解なイメージを持たれている可能性もありますが、本作はターガリエン家を中心に描かれていて、まだ登場人物が絞られている分、観易さもあります。

海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』パディ・コンシダイン/オリヴィア・クック

そして女性キャラクターが中心に描かれている点でも『ゲーム・オブ・スローンズ』と少し印象が異なります。もちろん『ゲーム・オブ・スローンズ』も数々の女性キャラクターが活躍していましたが、本作では登場人物がまだ限定されている分、一層女性の生き方にフォーカスされているように感じます。世継ぎ=後の女王となる立場、母の立場、妻の立場、そして、男性に支配されずに生きる術を身につけた者など、さまざまな角度から女性の生き方を考えさせられます。また、キャストも豪華でパディ・コンシダイン、マット・スミス、リス・エヴァンス、オリヴィア・クックなど実力派が名を連ねているほか、レイニラの少女時代を演じるミリー・オールコックなど若手俳優も演技力を発揮しています。『ゲーム・オブ・スローンズ』がそうであったように、本作からもスターが多数生まれそうですね。

海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』マット・スミス/エマ・ダーシー

ストーリーも期待通りのドロドロで、第1話からハラハラドキドキが止まりません。どのキャラクターも魅力的ですが、個人的に印象に残ったのは、まずマット・スミス演じるデイモン。初っぱなから危うい空気をバンバン放ちながらもどこかセクシーで、周囲の人間を翻弄させていきます。アリセント・ハイタワーの父オットー・ハイタワーを演じるリス・エヴァンスも人相から変わってみえるくらいなりきっていて圧倒されます。ヴィセーリス・ターガリエン1世を演じるパディ・コンシダインも途中どうやって撮ったんだろうというくらいやせ細るシーンがあり、半端ない役作りへの気合いを感じます。とにかく見どころが満載で、あっという間に観終わるおもしろさです。ぜひご覧ください。

海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』エマ・ダーシー

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン シーズン1』
2022年8月22日よりU-NEXTにて配信中
R15+
公式サイト U-NEXTで観る

© 2022 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃 これって、良いこと?悪いこと?『ふつうの子ども』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は環境問題に強い関心を持つ少女と、そんな彼女に思いを寄せる少年の物語『ふつうの子ども』を取り上げます。

映画『ビートルジュース ビートルジュース』モニカ・ベルッチ モニカ・ベルッチ【ギャラリー/出演作一覧】

1964年9月30日生まれ。イタリア出身。

映画『バード ここから羽ばたく』ニキヤ・アダムズ/バリー・コーガン バード ここから羽ばたく【レビュー】

イギリス、アメリカ、フランス、ドイツの合作である本作には、イギリス、ケント州出身のアンドレア・アーノルド(監督・脚本)や、アイルランド、ダブリン出身の俳優バリー・コーガン、ドイツのフライブルク・イム・ブライスガウ出身の俳優フランツ・ロゴフスキと…

映画『美しい夏』ディーヴァ・カッセル ディーヴァ・カッセル【ギャラリー/出演作一覧】

2004年9月12日生まれ。イタリア、ローマ出身。

映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』橋本環奈/眞栄田郷敦/櫻井海音/安斉星来/鈴木福/本田真凜/吉田剛明 カラダ探し THE LAST NIGHT【レビュー】

失踪した少女のカラダのパーツをすべて見つけるまで死のループから出られない“カラダ探し”は…

映画『テレビの中に入りたい』ジャスティス・スミス/ジャック・ヘヴン 『テレビの中に入りたい』トークショー付き一般試写会 10組20名様ご招待

映画『テレビの中に入りたい』トークショー付き一般試写会 10組20名様ご招待

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ ヒックとドラゴン【レビュー】

アニメーションの『ヒックとドラゴン』を観てから大好きで、劇場未公開の続編やテレビシリーズも含めて一通り観てきたファンとしては…

映画『タンゴの後で』アナマリア・ヴァルトロメイ/マット・ディロン タンゴの後で【レビュー】

本作の背景を知らずにタイトルとキービジュアルだけ見ると、素敵なラブストーリーと勘違いする方もいるかも…

海外ドラマ『9-1-1 LA救命最前線 シーズン7』ライアン・グスマン ライアン・グスマン【ギャラリー/出演作一覧】

1987年9月21日生まれ。アメリカ出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『バード ここから羽ばたく』ニキヤ・アダムズ/バリー・コーガン
  2. 映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』橋本環奈/眞栄田郷敦/櫻井海音/安斉星来/鈴木福/本田真凜/吉田剛明
  3. 映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ
  4. 映画『タンゴの後で』アナマリア・ヴァルトロメイ/マット・ディロン
  5. 映画『九龍ジェネリックロマンス』吉岡里帆/水上恒司

PRESENT

  1. 映画『テレビの中に入りたい』ジャスティス・スミス/ジャック・ヘヴン
  2. 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合
  3. 映画『ムガリッツ』
PAGE TOP