REVIEW

銀河鉄道の父【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『銀河鉄道の父』役所広司/菅田将暉/森七菜/豊田裕大/坂井真紀/田中泯

本作は、世界中で知られる作家、宮沢賢治と家族にまつわるストーリーです。第158回直木賞を受賞した門井慶喜の「銀河鉄道の父」を原作としています。映画公式サイトによると、この原作は、宮沢賢治の家族への丹念なリサーチをもとに綴られた小説とあります。映画化された本作には、宮沢賢治(菅田将暉)の知られざる姿や、賢治の父、政次郎(役所広司)を始めとする家族が賢治を支えた姿が描かれています。
宮沢賢治の作品を知っている方は多いと思いますが、彼の人となりはどれくらい知られているのでしょうか。私はほとんど知らなかったので、本作を観て驚くことばかりでした。希代の作家というイメージを持っていると、余計に彼の素顔に意外性を感じます。同時に、彼の優しい性格、不器用な面が作品ににじみ出ているのだなと実感します。そして、何といっても父の政次郎の性格と家族への愛の大きさが心に残ります。明治時代から大正時代にかけて生きた政次郎が、当時には珍しく子育てに積極的に参加した様子を観ると、とても親近感が湧きます。また、妹のトシ(森七菜)の存在も大きくて、彼女自身も可能性に満ちあふれた女性だったことがわかります。トシが兄の賢治の才能にいち早く気付き、後ろ盾する姿にはとても共感でき、彼女の強さにも惹かれます。トシは兄に関することでは政次郎に対してある意味指南役のような立場で、その関係性を描写するシーンではクスッと笑えます。そんな宮沢一家を観ていると心がとても温まります。現代の価値観に通じるところも多くあります。世代を越えて、各々が自分の道を生きることを応援してくれる作品です。ぜひあらゆる世代の方に観て欲しいです。

デート向き映画判定
映画『銀河鉄道の父』役所広司/菅田将暉

誰でも共感できるストーリーなので、デートでも安心して観られます。子育てや、親子代々受け継がれる家業など、家族にまつわるテーマが複数込められているので、これから家族になろうとするカップルや、夫婦で観るのもオススメです。鑑賞後は自然に家族の話をしたくなるので、交際ホヤホヤのカップルはお互いを知るきっかけとなるかもしれません。ウルッとくるシーンもあるので、ハンカチをお忘れなく。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『銀河鉄道の父』菅田将暉/森七菜

賢治が将来の進路に迷う姿は、特にティーンの皆さんには身近に思えると思います。「これ(賢治の場合は家業の質屋を継ぐこと)だけは違う」という確信はあっても、その先が見つからない。後に偉大な作品を残した宮沢賢治ですら、若かりし頃にそんな悶々とした気持ちを抱えていたのだと思うと、少し救われるかもしれません。賢治の場合は、周囲の助けによって徐々に自分の道を見つけていきます。本作を観ると、皆さんも周囲の言葉に素直に耳を傾けてみようと思えるのではないでしょうか。

映画『銀河鉄道の父』役所広司/菅田将暉/森七菜/豊田裕大/坂井真紀/田中泯

『銀河鉄道の父』
2023年5月5日より全国公開
キノフィルムズ
公式サイト

©2022「銀河鉄道の父」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『たしかにあった幻』ヴィッキー・クリープス たしかにあった幻【レビュー】

フランス、パリから神戸にやってきたコリー(ヴィッキー・クリープス)を主人公とした本作では、コリーの目線を通して日本人の死生観が…

映画『禍禍女』南沙良 禍禍女【レビュー】

南沙良、前田旺志郎、アオイヤマダ、髙石あかり、鈴木福といった若手実力派が名を連ね、ゆりやんレトリィバァが初監督を務めた本作は、監督自身が経験した実際の恋愛を基に作られた…

Netflix映画『ジェイ・ケリー』アダム・サンドラー アダム・サンドラー【ギャラリー/出演作一覧】

1966年9月9日生まれ。アメリカ生まれ。

映画『レンタル・ファミリー』ヒット祈願&記者会見:HIKARI監督、ブレンダン・フレイザー、平岳大、山本真理、ゴーマン シャノン 眞陽、柄本明 この作品は孤独、寂しさへのラブレター『レンタル・ファミリー』ブレンダン・フレイザー来日!ヒット祈願&記者会見

『37セカンズ』で世界的な注目を集めたHIKARI監督の最新作『レンタル・ファミリー』の公開を控え、主演のブレンダン・フレイザーが約2年ぶりに来日を果たしました。

映画『FRÉWAKA/フレワカ』クレア・モネリー FRÉWAKA/フレワカ【レビュー】

REVIEWタイトルになっている“フレワカ”は、「現地の言葉<fréamhacha(フレー…

映画『トゥギャザー』アリソン・ブリー/デイヴ・フランコ トゥギャザー【レビュー】

とにかく強烈な作品です(笑)。脚本も担当したマイケル・シャンクス監督は…

映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ ツーリストファミリー【レビュー】

スリランカでの苦しい生活から逃れるために、インドに密入国した一家が主人公の本作は、新人監督によって低予算で作られた作品でありながら…

映画『喝采』ピアース・ブロスナン ピアース・ブロスナン【ギャラリー/出演作一覧】

1953年5月16日生まれ。アイルランド、ナヴァン出身。

映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』ローラ・カーマイケル/ミシェル・ドッカリー 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2026年1月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2026年1月】のアクセスランキングを発表!

映画『ほどなく、お別れです』浜辺美波/目黒蓮 ほどなく、お別れです【レビュー】

累計70万部を突破したベストセラー、長月天音著「ほどなく、お別れです」シリーズを原作とする本作は、浜辺美波、目黒蓮をはじめとし…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集! 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!

2025年10月から始めた映画学ゼミは、皆様のおかげで第4回(全8コマ)を実施できました。本当にありがとうございます! 2026年に入り、プチリニューアルし、第5回を実施します。

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!
  2. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  3. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集

REVIEW

  1. 映画『たしかにあった幻』ヴィッキー・クリープス
  2. 映画『禍禍女』南沙良
  3. 映画『FRÉWAKA/フレワカ』クレア・モネリー
  4. 映画『トゥギャザー』アリソン・ブリー/デイヴ・フランコ
  5. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP