REVIEW

彼女が好きなものは【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『彼女が好きなものは』神尾楓珠/山田杏奈

多様性という言葉が徐々に浸透してきている昨今ですが、まだまだそれぞれの方の心の奥にあるものまで理解できているかというと、本作のようなストーリーを観る度に自分の理解が全然追いついていないことを実感します。周りが「あなたのままでいいよ」と言ったとしても、当の本人にとってはそんな簡単なことでもなく、当事者でない立場で想像しているよりも何倍も複雑な状況にあり苦しんでいるのだなと改めて気付かされます。また、劇中で同性愛についてクラスで話し合うシーンがあり、皆理解を示しているように見えてどこか違和感があるのは、他人事だからこそ容易に綺麗事にできてしまうのかなと思えたりもします。そして私自身も結局理解しているつもりの1人に過ぎないと気付かされます。
どんなストーリーなのかは映画でご覧いただくとして、この物語が最後に出した答えはとても素敵です。すべてを完璧に解決することはできなくても、1つの答えを見せてくれていると思います。キャラクター達のとても真っ直ぐな気持ち、もがく姿にも共感できて、自分ならどうするだろうと振り返るきっかけも与えてくれます。
若手実力派キャストが揃い、彼等の演技も見応えがあります。苦しくて切ない物語ではありますが、優しさに溢れた物語でもあるので、若い方はもちろん年齢を問わず観て欲しいです。

デート向き映画判定
映画『彼女が好きなものは』神尾楓珠/今井翼

「好き」って何だろうと考えるきっかけをくれる作品で、恋愛観も1つのテーマとなっています。なのでカップルで観ると、観終わった後に同じ感覚になれるか、それぞれに自分の恋愛観を揺るがす何かに気付いてしまうかが読めません。というところからすると、1人でじっくり観るか、仲の良い友達と観るのが良さそうです。でも自分達の関係がよくわからず、それが何なのかをハッキリさせたい方は敢えて好きな人と一緒に観てみるのもアリかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『彼女が好きなものは』神尾楓珠/山田杏奈

高校生が主人公で学校での人間関係を軸に描かれているので、特にティーンの皆さんにとっては一層身近なストーリーとして観られるのではないでしょうか。恋愛だけでなく、友達関係についてもいろいろな変化が起こります。きっと自分に近いキャラクター、身近な友達と近いキャラクターというように、自分達の日常と照らし合わせながら観られると思います。悩み事の内容は映画と違っても、好きな人達をどうしたら大切にできるのかを教えてくれる作品なので、ぜひ観てみてください。

映画『彼女が好きなものは』神尾楓珠/山田杏奈/前田旺志郎/三浦獠太

『彼女が好きなものは』
2021年12月3日より全国公開
バンダイナムコアーツ、アニモプロデュース
公式サイト

©2021「彼女が好きなものは」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人 子どもの成長における大人との出会いの重要性『四月の余白』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は、元半グレで元受刑者の主人公が問題を抱えた少年、少女達と向き合う姿を描く『四月の余白』を取り上げます。

映画『口に関するアンケート』板垣李光人/綱啓永/吉川愛/MOMONA(ME:I)/ 森愁斗(BUDDiiS) /西山智樹(TAGRIGHT) 口に関するアンケート【レビュー】

原作は、『近畿地方のある場所について』の原作者としてもお馴染みの背筋による小説「口に関するアンケート」です…

映画『スーパーガール』ミリー・オールコック スーパーガール【レビュー】

スーパーマンことカル=エル、地球での名前クラーク・ケントの従姉妹、スーパーガールのカーラ・ゾー=エルを主人公にした本作は…

映画『黒牢城』宮舘涼太 宮舘涼太【ギャラリー/出演作一覧】

1993年3月25日生まれ。東京都出身。

映画『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』岸井ゆきの/ツェン・ジンホア シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE【レビュー】

第58回谷崎潤一郎賞を受賞した吉本ばななの短編小説集「ミトンとふびん」に収められた一篇「SINSIN AND THE MOUSE」を原作とする本作は…

映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』ジェフリー・ラッシュ ジェフリー・ラッシュ【ギャラリー/出演作一覧】

1951年7月6日生まれ。オーストラリア、クイーンズランド州トゥーンバ出身。

映画『ロングウォーク』クーパー・ホフマン/デヴィッド・ジョンソン ロングウォーク【レビュー】

最後の1人になるまで休むことなく何日も歩き続けるというシンプルな設定で、背景が異なる若者達の成長と葛藤を見事に描く秀作…

映画『白パンと独裁者』ジャスパー・ビラーベック 『白パンと独裁者』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『白パンと独裁者』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『Michael/マイケル』ジャファー・ジャクソン ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】あの映画がおもしろいと思う本当の理由『億万長者の不都合な終末』『急に具合が悪くなる。』『Michael/マイケル』など5作

6月はオススメしたい作品がいっぱいです!一部、短めに取り上げながら、今回はなるべくネタバレせずにお話しています。

映画『さよなら、僕の英雄』マッツ・ミケルセン/ニコライ・リー・コス さよなら、僕の英雄【レビュー】

『さよなら、僕の英雄』というタイトルや、マッツ・ミケルセンの新鮮な風貌から、ホッコリするストーリーなのかと思いきや…

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集! 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!

今回は、私の研究で扱っている情動知能を取り上げます。非認知能力という言葉を聞いたことがあるでしょうか…

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人
  2. 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!
  3. 映画『炎上』森七菜/髙橋芽以

REVIEW

  1. 映画『口に関するアンケート』板垣李光人/綱啓永/吉川愛/MOMONA(ME:I)/ 森愁斗(BUDDiiS) /西山智樹(TAGRIGHT)
  2. 映画『スーパーガール』ミリー・オールコック
  3. 映画『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』岸井ゆきの/ツェン・ジンホア
  4. 映画『ロングウォーク』クーパー・ホフマン/デヴィッド・ジョンソン
  5. 映画『さよなら、僕の英雄』マッツ・ミケルセン/ニコライ・リー・コス

PRESENT

  1. 映画『白パンと独裁者』ジャスパー・ビラーベック
  2. 映画『ヌーヴェルヴァーグ』ギヨーム・マルベック/ゾーイ・ドゥイッチ
  3. 映画『大統領のケーキ』バニーン・アハマド・ナーイフ
PAGE TOP