REVIEW

湖の女たち【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『湖の女たち』福士蒼汰/松本まりか

REVIEW

これまでも『パレード』『悪人』『横道世之介』『怒り』などのベストセラーが映画化されてきた作家の吉田修一と、『日日是好日』『タロウのバカ』『MOTHER マザー』『星の子』などさまざまなテーマで話題作を生んできた大森立嗣監督が、『さよなら渓谷』以来、10年ぶりのタッグを組みました。物語の主な登場人物は、100歳の寝たきり老人が不可解な死を遂げたことで疑惑を向けられる人達と、捜査をする刑事達、そして、事件の真相を追う記者です。
サスペンスの要素はありつつ、観てみると、意外な部分でさまざまな物語が同時に展開していきます。何がどう繋がっていくかは観てのお楽しみとして、本作は奇妙でありながら、ある意味生々しい人間同士の繋がりを描いています。それは愛とか憎しみとか単純な言葉では言い表せない繋がりであり、闇とも光とも言い難い繋がりのように感じます。その正体をどう捉えるかは人によって異なるとともに、観るタイミングや心の状態によっても異なるのではないでしょうか。
また、本作では俳優達の演技も見ものです。松本まりかが演じるキャラクターは、艶っぽさがあると同時に儚さが印象的です。福士蒼汰は、心の奥に重くて暗いものを秘めつつもエネルギッシュな面も持つ捕らえどころのないキャラクターを見事に演じ、新境地を開いています。また、浅野忠信が演じる関西弁の刑事も、やさぐれた感じがリアルです。他にも演技派俳優が勢揃いしており、見応えが十分です。
明確な答えが用意されているというよりも、観る人それぞれに答えを探すおもしろさがある作品です。本作を観ると、自分にとって今の世の中がどう見えているのか、客観視できるかもしれません。

デート向き映画判定

映画『湖の女たち』福士蒼汰/松本まりか

エロチックなシーンもあり、シリアスなテーマなので、一緒に映画を観ることに慣れているカップル向けかなと思います。一見、何が起こっているのか惑わされる展開もあり、いろいろな解釈ができる点では、鑑賞後に感想を話し合うとおもしろいかもしれません。一方で、映画の世界観に浸るには1人でじっくり観るのも良いと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『湖の女たち』福士蒼汰/浅野忠信

大人向けのストーリーで、怖いシーン、重いシーンも出てきます。一見不可解なやり取りは、ある程度大人になってから観るほうが、感情移入しながら観られるのではないでしょうか。一方で、人間の心理を考察するおもしろさがあるので、文学的な映画にハマりだしたティーンの皆さんはトライしてみてください。

映画『湖の女たち』福士蒼汰/松本まりか

『湖の女たち』
2024年5月17日より全国公開
東京テアトル、ヨアケ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

© 2024 映画「湖の女たち」製作委員会

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年5月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

Netflix映画『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』ダニエル・クレイグ/ジョシュ・オコナー ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン【レビュー】

物語の舞台は、田舎町にある教会です。若き神父ジャド・デュプレンティシー(ジョシュ・オコナー)は、赴任したばかりのその教会で…

映画『マーズ・エクスプレス』 マーズ・エクスプレス【レビュー】

西暦2200年の火星の首都ノクティスを舞台に描かれる本作のタイトルは、「20年以上にわたり宇宙で活動をつづけている実在の火星探査機〈マーズ・エクスプレス〉の名」がつけられています…

映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』ポール・ジアマッティ ポール・ジアマッティ【ギャラリー/出演作一覧】

1967年6月6日生まれ。アメリカ出身。

映画『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』ソン・ヘギョ 悪魔退治のノウハウ—韓国映画にみる悪魔祓い

今回は韓国映画の悪魔祓いにスポットを当ててご紹介します。

映画『HELP/復讐島』レイチェル・マクアダムス HELP/復讐島【レビュー】

本作のストーリーと演出はぶっ飛んでいて…

Netflixドラマ『ザ・ポリティシャン シーズン1』ジェシカ・ラング ジェシカ・ラング【ギャラリー/出演作一覧】

1949年4月20日生まれ。アメリカ、ミネソタ州クロケット出身。

【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集! 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!

2025年10月から始めた映画学ゼミは、皆様のおかげで第4回(全8コマ)を実施できました。本当にありがとうございます! 2026年に入り、プチリニューアルし、第5回を実施します。

映画『ランニング・マン』グレン・パウエル ランニング・マン【レビュー】

1982年、原作者のスティーヴン・キングはリチャード・バックマンというペンネームで、本作の原作小説「ランニング・マン」を出版し、1985年にキング本人の名前で…

映画『終点のあの子』當真あみ/中島セナ 終点のあの子【レビュー】

『伊藤くんA to E』『私にふさわしいホテル』『早乙女カナコの場合は』などの原作者としても知られる柚木麻子のデビュー作「終点のあの子」が映画化…

映画『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』ローラ・カーマイケル ローラ・カーマイケル【ギャラリー/出演作一覧】

1986年7月16日生まれ。イギリス出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集! 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!

2025年10月から始めた映画学ゼミは、皆様のおかげで第4回(全8コマ)を実施できました。本当にありがとうございます! 2026年に入り、プチリニューアルし、第5回を実施します。

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!
  2. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  3. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集

REVIEW

  1. Netflix映画『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』ダニエル・クレイグ/ジョシュ・オコナー
  2. 映画『マーズ・エクスプレス』
  3. 映画『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』ソン・ヘギョ
  4. 映画『HELP/復讐島』レイチェル・マクアダムス
  5. 映画『ランニング・マン』グレン・パウエル

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP