家族って身近にいながら、いや身近にいるからこそわからない存在でもあります。本記事では、2025年初旬に劇場公開される作品の中から、さまざまな親子関係を描いた作品をご紹介します。どれも全くタイプの異なる作品ですが、同じテーマで観比べるのもおもしろいと思います。
満ち足りた家族

2025年1月17日より全国公開中
PG-12
日活、KDDI
監督:ホ・ジノ
出演:ソル・ギョング/チャン・ドンゴン/キム・ヒエ/クローディア・キム
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

裕福な家庭で何不自由なく育てられた子どもには一見問題がありません。子どもには親に見せない顔があるとはわかっていても、こんなことになろうとは…。親としての責任の重さと、子どもを守ることの本当の意味を考えされられるストーリーです。映画で観る分には何が正しいかはわかっていたとしても、実際に自分の子どものことになると、正しい選択をできるのでしょうか。クライマックスではとんでもなくいたたまれない気持ちにさせられます。
Mothers マザーズ

2025年1月25日より全国公開
GoldfishFilm
監督:武田恒/高橋郁子/木内麻由美/野田麗未/難波望
出演:「BUG」小沢まゆ/上田雅喜/悦永舞/垣内健吾/吉牟田眞奈、「夜想」大島朋恵/加藤亮佑、「いつか、母を捨てる」外山史織/山野海/秋本奈緒美/久保田秀敏/岡見時秀、「だめだし」アキラ 100%/高橋明日香/EMA/川越諒/大島祐也/黒木美結/高遠るきの、「ルカノパンタシア」嶋村友美/森山みつき/藤井太一
公式サイト

母のさまざまな側面を描く5つのストーリーから構成されるオムニバス映画です。「親の心子知らず、子の心親知らず」という視点では、まず「BUG」は心を開かない息子に向き合う母の姿が映し出されています。「いつか、母を捨てる」は、すべて自分の思い通りにしようとする母に対する娘の葛藤が描かれています。どうしてどこからこうなったのかと想像が膨らみます。
ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた

2025年1月31日より全国公開
SUNDAE
監督・脚本・製作:ビル・ポーラッド
出演:ケイシー・アフレック/ノア・ジュプ/ズーイー・デシャネル/ウォルトン・ゴギンズ/ボー・ブリッジス
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

1979年、10代で1枚のアルバムを自ら作り発表した、実在の兄弟デュオ“ドニー&ジョー・エマーソン”の家族の実話です。なんと、2人が発表したアルバム“Dreamin’ Wild”が、約30年後にコレクターによって発掘され、ミュージシャンとして2度目のチャンスを得ます。でも、弟のドニーには素直に喜べない事情がありました。本作には親を思う子の気持ち、子を思う親の気持ちが見てとれます。お互いが大事だからこそ悩み苦しむ姿に共感を覚えます。
野生の島のロズ

2025年2月7日より全国公開
東宝東和、ギャガ
監督・脚本:クリス・サンダース
声の出演:ルピタ・ニョンゴ/ペドロ・パスカル/キャサリン・オハラ/ビル・ナイ/キット・コナー/ステファニー・シュウ
日本語吹替え:綾瀬はるか/柄本佑/鈴木福/いとうまい子/千葉繁/種﨑敦美/山本高広/滝知史/田中美央/濱﨑司
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

無人島に漂着したハイテク機能を搭載したロボットのロズがひょんなことから雁のひな鳥の“親”になります。でも、ロズは本当の親ではないし、自分自身は飛べません。それでも、ロズは“子”のためにあらゆる努力をしていきます。“親”としての感情が芽生えながら、いつか渡り鳥として巣立っていく“子”に対して、どう接すれば良いかわからなくなっていくロズの姿が印象的に描かれています。どんな難題でも解決の道を“計算”できるはずのロボットが主人公だからこそ、子育てに正解はないのだなとわかります。
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TEXT by Myson
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