学び・メンタルヘルス

子ども達の頭の中を覗いてみよう

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『こどもかいぎ』

さまざまな経験を積んできた大人は頭が堅くなりがちです。大人になるにつれ、心配事や悩み事も増えます。だから、子どもにああしなさい、こうしなさいと言いたくなることも出てきます。でも、子ども達から教わることがたくさんあります。今回は、子ども達の頭の中を覗けるような作品をご紹介します。

『こどもかいぎ』

映画『こどもかいぎ』
映画『こどもかいぎ』

『こどもかいぎ』
2022年7月22日より全国公開中
公式サイト

本作は子どものミーティングを行っている保育園で2018年に撮影されました。先生がさまざまな質問を子ども達に投げかけ、子ども達は自由に発言します。子ども達らしい奇想天外な発言が飛び出したり、大人の先入観を崩すようなシンプルな発言もあります。また、印象的なのは子どものミーティングだけではなく、喧嘩をした時に喧嘩をした子どもだけで話し合う機会が設けられていることです。しかも仲直りを強制しているわけではありません。仲直りができるかもしれないし、その場では解決しないかもしれないけれど、一旦当事者同士で話し合うという過程を踏むところに意味があるのがわかります。
この保育園では、答えを出すことよりも、まず考える姿勢を大切にしているのが伝わってきます。大人は楽をしようと経験に頼って考える前に諦めることも多いように思いますが、本作に登場する子ども達を観ていると、シンプルに考えることの大切さを感じます。

『ゆめパのじかん』

映画『ゆめパのじかん』
映画『ゆめパのじかん』

『ゆめパのじかん』
2022年7月9日より全国公開中
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定 
映画配給&制作さんにインタビュー【ノンデライコ】×【ムーリンプロダクション】

子どもの発想で自由な遊びができる“ゆめパ”は、神奈川県川崎市にある約1万㎡の広大な敷地に作られた子ども達のための遊び場です。ここにはいろいろな遊びが溢れています。大がかりな遊具も子ども達のお手製だったり、子ども達はいわゆる子ども用のおもちゃで遊ぶのではなく、一般的には大人がやるような作業も体験できます。扱いに注意が必要な工具を使ったり、火を使うこともあります。でも、大人は手を出してはいけないことになっています。子ども達は時に怪我をすることもありますが、経験して学んでいきます。このような環境で子ども達は何を感じ、考えるのか。子ども達の発想はとても自由で、ユニークな発言にはホッコリします。

『ちいさな哲学者たち』

映画『ちいさな哲学者たち』

『ちいさな哲学者たち』
DVD販売&レンタル中/Amazonプライムにて配信中
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

哲学の勉強クラスが設けられたフランスにある幼稚園で、3歳〜5歳までの子ども達の様子を撮影したドキュメンタリーです。
先生は「愛」「自由」「死」といったテーマを投げかけます。中身が大人かと思えるような発言も出てきたり、幼児とは思えないおませなやり取りが可愛いシーンもあります。子どもに哲学なんて早いとか難しいとかいうなんてナンセンスだなと実感させられる作品です。

『ちいさな哲学者たち』DVDをAmazonで購入

『子どもが教えてくれたこと』

映画『子どもが教えてくれたこと』

『子どもが教えてくれたこと』
DVD販売&レンタル中/Amazonプライムにて配信中
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定 アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン監督インタビュー

重病を抱え闘病生活を送る子ども達の姿を映したドキュメンタリー。アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン監督自身も2人の娘を幼くして病気で失ったという辛い経験の持ち主です。闘病生活を送る子ども達のなかには死を覚悟しているといおうか、自分の運命に真正面から向き合っている子もいて、聞くと涙してしまうような重い言葉も出てきます。子どもだからわからないと考えるのは大間違いで、大人より何倍も人生を深く理解しているように思えます。タイトルの通り、まさに子ども達から深い学びを得られる作品です。

『子どもが教えてくれたこと』DVDをAmazonで購入
『子どもが教えてくれたこと』をAmazonプライムで観る

『モンテッソーリ 子どもの家』

映画『モンテッソーリ 子どもの家』
映画『モンテッソーリ 子どもの家』

『モンテッソーリ 子どもの家』
公式サイト REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定 
心理学から観る映画28:教えるのは何でも早いのが良いとは限らない!?

イタリア出身のマリア・モンテッソーリが考案した教育メソッド“モンテッソーリ教育”を行っているフランスの学校で、2歳半から6歳の28名のクラスを2年3ヶ月にわたり取材したドキュメンタリーです。ここには、種類が豊富な道具が揃っていて、子ども達の年齢に合ったものを選べるようになっています。先生は子ども達の様子を見ながら接して過度に関わろうとしません。また年長の子どもが年少の子どもに道具の使い方を教える場面も多く、子ども達が成長に合わせて、自立して学べるような環境になっています。子ども達の姿を観ていると、子ども達は自分で学ぶ力を充分に持っていることがわかります。


『こどもかいぎ』で出てくる子どものミーティングや、『ゆめパのじかん』の“ゆめパ”で重視されている子どもの遊び方は、『ちいさな哲学者たち』や『モンテッソーリ 子どもの家』で行われている取り組みに通じるところがあります。何が正解というのはないにしても、どれも子どものうちに大切にしたいことに重点をおいた教育方法として実施されているといえます。子育て中の方にとって参考になるのはもちろんのこと、大人の方々が自分自身の言動の癖を振り返る機会にもなるのではと感じます。ぜひ、それぞれの作品を観て、頭の柔軟体操をしてみてください。

© Incognita Films-TF1 Droits Audiovisuels
© DANS LE SENS DE LA VIE 2017
ガーラフィルム/ノンデライコ

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『喝采』キャシー・ベイツ キャシー・ベイツ【ギャラリー/出演作一覧】

1948年6月28日生まれ。アメリカ、テネシー州メンフィス出身。

映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2【レビュー】

かつて子ども達に人気だったピザレストラン“フレディ・ファズベアーズ・ピザ”で恐ろしい体験をしたマイク(ジョシュ・ハッチャーソン)と妹のアビー(パイパー・ルビオ)、警察官のヴァネッサ(エリザベス・レイル)は、あれから1年半経ち、平穏な日々を取り戻しつつあり…

映画『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』ロムニック・サルメンタ/イライジャ・カンラス アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス【レビュー】

怖い!巧い!物語の舞台はレストランの一席、ほぼ2人の登場人物で展開される会話劇で、ここまでスリリングな作品に仕立て上げるとは…

映画『恋愛裁判』唐田えりか 唐田えりか【ギャラリー/出演作一覧】

1997年9月19日生まれ。千葉県出身。

映画『グッドワン』リリー・コリアス 利口な子どもに甘える大人『グッドワン』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は、父と娘、父の友人の3人で出かけたキャンプでの様子を描く『グッドワン』を取り上げ、娘サム、父クリスと、その友人マットそれぞれの視点でどんな思考が働いていたかを想像してみます。

映画『モディリアーニ!』リッカルド・スカマルチョ モディリアーニ!【レビュー】

35歳の若さで亡くなったイタリア人の芸術家アメデオ・モディリアーニの人生を変えた3日間を描く本作では、ジョニー・デップが『ブレイブ』(1997)以来約30年ぶりに監督を務めました…

映画『28年後... 白骨の神殿』ジャック・オコンネル/レイフ・ファインズ 28年後… 白骨の神殿【レビュー】

おもしろすぎる!テーマが深い上に、遊び心もちゃんとあって、観賞中はテンション爆上がり…

映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ ジョン・チョウ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年6月16日生まれ。韓国出身。アメリカ、ロサンゼルス育ち。

映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』南沙良/出口夏希/吉田美月喜 万事快調〈オール・グリーンズ〉【レビュー】

原作者の波木銅は、現役大学生だった21歳の時に、同名小説で松本清張賞を受賞…

映画『長安のライチ』ダーポン(大鵬)/テレンス・ラウ(劉俊謙) 長安のライチ【レビュー】

REVIEW『熱烈』で監督・脚本を務めたダーポン(大鵬/ダー・ポンと表記される場合もある)…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 昨日よりちょっと賢く生きるための【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  2. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  3. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン

REVIEW

  1. 映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』
  2. 映画『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』ロムニック・サルメンタ/イライジャ・カンラス
  3. 映画『モディリアーニ!』リッカルド・スカマルチョ
  4. 映画『28年後... 白骨の神殿』ジャック・オコンネル/レイフ・ファインズ
  5. 映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』南沙良/出口夏希/吉田美月喜

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
PAGE TOP