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あなただけのキャリア5:意識的?無意識的?あなたの職業選択

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映画『滑走路』浅香航大/吉村界人

学生の皆さんの中には早くから就職活動を始めている人、ギリギリになって始める人、いろいろだと思います。最近ではインターンシップ制度も当たり前になってきていて、早い段階から企業にアプローチする機会も増えているでしょう。でも応募書類を書く時に必ず聞かれることとして、志望動機があります。受ける企業について調べるのはもちろんですが、最初に自分のことを理解できていなければ書くのは難しいですよね。そこで今回は、職業選択の指標についてお話します。

その前にまず、就きたい仕事を頭に思い浮かべてみてください。そして、その理由を考えてみてください。フワッとしていても、何かしら自分なりの理由はあると思います。お部屋探しをイメージしてみるとわかりやすいと思いますが、下記の条件を全部クリアする部屋が見つかるか、一緒に考えてみてください。
・家賃6万円(管理費込み)/1ヶ月
・三軒茶屋駅から徒歩5分以内
・マンションのワンルーム
・トイレとお風呂は別
・2階以上
・エアコン付き
・オートロック付き

大手物件検索サイトで探してみると、上記の条件に合う物件は0件です。ちなみに上記の条件をすべて満たしそうな物件の相場は8万円〜10万円です。ここで何かを妥協していかなければいけなくなりますね。そこであなたの価値観がわかってきます。

仕事に関しても同じです。お給料が良くて、土日は確実に休みが取れて、17時に終業で、自分が望むジャンルでやり甲斐のある仕事ができて…という気持ちはわかりますが、何かを優先すれば、何かを諦めざるを得ない状況は出てくるでしょう。さらに、お部屋探しと違って、自分が一方的に選ぶのではなく、相手(企業)にも自分を選んでもらい、相思相愛になる必要があります。就職活動は“受験”と同じスタンスで考えている人も多いかもしれませんが、厳密にいうと、自分を売り込む“営業”とも言えるし、“交渉”とも言えると私は考えます。

映画『滑走路』水川あさみ

なので交渉するには、自分のウリと同時に、自分の望みや価値観もしっかり把握しておく必要があります。そこで、職業選択の指標となる理論をいくつかご紹介しましょう。

学者のクライツは、職業選択理論を、非心理学的理論、心理学的理論、一般理論の3つに大別しました。非心理学的理論は外的要因が職業選択を決定すると考える理論なので、ここでは個人(内的要因)に焦点を当てた、心理学的理論と一般理論について述べます。

■心理学的理論
ア)特性因子的職業選択理論:個人の特性(才能、性格、興味など)と、さまざまな職業が個人に求める特性の関係性によって決まるとする理論。
イ)心理力動的職業選択理論:精神分析的な理論で、個人の動機が職業選択において最も重要という考え方。その中には以下の3つの理論がある。
①精神分析的職業選択理論:潜在的な欲求や衝動に関与。“防衛機制”が基盤。
②要求的職業選択理論:個人の要求が満たされるか否かがポイント。幼児期の親の養育態度にも関連。
③自我的職業選択理論:自我概念に当てはまる職業が選択される。
ウ)発達的職業選択理論:子ども時代から成人になるまで(21歳頃)のいくつかの期間において、その度毎に選択が形成されるという理論。例としてはギンズバーグの理論がある。
エ)意志決定的職業選択理論:ジェラットの理論がこれにあたる。起こりうる結果の可能性を判断し、自分の価値に沿うか評価され、決定に至るという考え方。

■一般理論:ホランドの類型学的理論→詳しくはこちら

この説明だけでお腹いっぱいになっちゃう人もいると思いますが(苦笑)、要するに職業選択をする指標はこれだけいろいろあるので、自分自身の指標をまず見つけることが重要だということです。名前が通っている企業に行くのが良いとか、今盛況な業界に入ったほうが良いとか、ニュースだけでなくセミナーや友達との会話からでも、いろいろな情報が飛んでくると思いますが、それが自分個人の職業選択と当てはまるかを考えなければ、就職してから辛くなります。

映画『滑走路』浅香航大

例えば、小さい頃に消防士さんに助けられた経験から救助の仕事に興味を持ち始め、そこからいろいろ仕事について考えた上で救助の仕事をやりたい気持ちが変わらない人は、発達的職業選択理論に当てはまる考え方をしてきているのでしょう。また、芸術家には欲求や衝動を昇華させて作品を生み出している人もいて、精神分析的職業選択理論に当てはまるという見方もできます。

これらの理論を根本から理解するのは難しいですが、考え方はいろいろあるということがわかればOKです。理論は自身の職業選択にどんなルーツがあるのかを考えるきっかけにする程度で良いと思います。なので他の人と比較をするのではなく、自分がどの指標を軸にするかを決めてから、そこからどんどん細かく見ていくために他の指標でも検討してみると、自分が価値を置くべき項目の優先順位も決まっていくのではないでしょうか。

<参考・引用文献>
佐々木士師二(1996) 「産業心理学への招待」有斐閣

オススメのお仕事映画

映画『滑走路』水川あさみ/浅香航大/寄川歌太

『滑走路』
2020年11月20日より全国公開
PG-12

REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

物語の本筋はお仕事映画ではありませんが、才能を活かして好きな仕事をするキャラクター、エリート街道にいるようでも辛そうなキャラクターが出てきて、仕事と人生の関係を考える要素が含まれたストーリーとなっています。

© 2020 「滑走路」製作委員会

TEXT by Myson(武内三穂・国家資格キャリアコンサルタント・認定心理士)

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REVIEW

  1. 映画『これって生きてる?』ウィル・アーネット
  2. 映画『人はなぜラブレターを書くのか』綾瀬はるか
  3. 映画『五月の雨』安川まり
  4. 映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』イ・レ/チン・ソヨン
  5. 映画『炎上』森七菜

PRESENT

  1. 映画『霧のごとく』ケイトリン・ファン/ウィル・オー
  2. 映画『君と僕の5分』シム・ヒョンソ/ヒョン・ウソク
  3. 映画『オールド・オーク』デイヴ・ターナー/エブラ・マリ
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