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キングダム 運命の炎【レビュー】

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映画『キングダム 運命の炎』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/杏/山田裕貴/高嶋政宏/要潤/片岡愛之助/山本耕史/長澤まさみ/玉木宏/佐藤浩市/大沢たかお

シリーズ3作目となる本作では、これまで謎が多かったキャラクターの過去が明かされます。まず、吉沢亮が演じる秦王、嬴政(えいせい)の暗い過去が描かれ、嬴政がなぜ中華統一を目指すのかが語られています。また、大沢たかおが演じる王騎(おうき)の背景も徐々に見えてきます。伝説の大将軍といわれる王騎が長らく戦から離れていたにもかかわらず、なぜ今回は総大将を務めるに至ったのか。彼の因縁が、本作で描かれる馬陽の戦に関わっていることが明かされます。そして、信(山﨑賢人)も修業を経て、さらに腕を上げ、戦に加わります。また、秦と戦う趙(ちょう)軍の武将として、山田裕貴、山本耕史、片岡愛之助が演じる強者キャラなど、新キャラが多く加わります。今回特に重要なキャラクターとして描かれているのが、杏が演じる紫夏(しか)です。紫夏は嬴政に中華統一の使命をもたらした重要な人物として登場します。杏は、芯が強く、前向きな紫夏のキャラクターにピッタリとハマっています。
本作もアクションシーンはもちろん、頭脳戦に見応えがあり、2時間超の上映時間もあっという間です。ただ、ここまで登場人物が増えてくると、やはり相関図が欲しくなりますね。観終わった後に整理したくなります。シリーズ前作までの人物相関を調べたくなるキャラクターもいれば、今はまだ登場が少ないながら重要なキャラクターとして位置付けられているキャラクターについても調べたくなります。とはいえ、観ている間は文脈から誰のことを話しているのかは大体ついていけると思います。
回を追う毎に群像劇としてのおもしろさも増してきました。背景が見えてくると、それぞれの人物も一層魅力的に映ります。誰を軸に物語を眺めるのかという選択肢が増える分、おもしろさも倍増しています。個人的には、大沢たかおが演じる王騎がおもしろいので、やっと王騎の本領が観られるエピソードになり嬉しいです。ぜひ壮大なスケールの本作は劇場でお楽しみください。

デート向き映画判定
映画『キングダム 運命の炎』吉沢亮

2人ともシリーズ前作を観ていれば、デートにも誘い易いですよね。まだ前作を観ていない場合は、ぜひ一緒におさらいしてから観てください。原作漫画を読んでいるなら、観終わってから解説してあげると喜んでもらえるのではないでしょうか。ただし“キングダム”初心者と上級者でテンションに差が出てしまう可能性もあるので、相手の反応に合わせて解説してあげると良いですね。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『キングダム 運命の炎』大沢たかお

カッコ良いキャラクターがたくさん登場するので、お目当てを見つけて観るのも良いですね。登場人物が大変多く、中国名が難しいので、幼いキッズにはハードルが高いと思いますが、漫画にハマり出した方ならチャレンジしても良さそうです。逆に映画を観て原作に興味を持ったら読んでみても良いですね。映画ならではの良さ、漫画ならではの良さの両方を知ることは、文化芸術の勉強にもなると思います。

映画『キングダム 運命の炎』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/杏/山田裕貴/高嶋政宏/要潤/片岡愛之助/山本耕史/長澤まさみ/玉木宏/佐藤浩市/大沢たかお

『キングダム 運命の炎』
2023年7月28日より全国公開
東宝
公式サイト

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©原泰久/集英社 ©2023映画「キングダム」製作委員会

TEXT by Myson


関連作:“キングダム”シリーズ

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